2019/08/18

パンク修理基礎講座

  バイク生活復活計画は、まだ続行中ですが、これといって、ブログ記事を書くほどの進展もないので、今回は、別の話を・・・。 自転車の事です。 なかなか、2輪から離れないですが・・・。




  6月24日の事ですが、旧母自で、レントゲン検診に行こうと思ったら、後輪タイヤの空気が抜けていました。 虫ゴムは、黒の奴を、割と最近、付け替えたばかりなので、バルブの問題とは考えられません。 たぶん、パンクだろうと、診断しました。 レントゲン車は、市内の検診会場を巡回しており、一ヵ所に一時間もいません。 パンク修理なんて、呑気な事はしていられませんから、旧母自はやめ、母自で出かけました。

  ちなみに、私は、レントゲン検診期間が始まると、初日にやる所へ出かけて行って、さっさと済ませてしまう事にしています。 最寄りの会場に回って来る日付が遅くて、忘れてしまいそうだからです。 よその自治体は知りませんが、沼津市の場合、住所に関係なく、どの会場で受けてもいい事になっています。

  2016年以降、街の方にある会場へ自転車で行っていますが、今年は、少し出遅れて、私が着いた時には、近所の人達が、5人くらい並んでいました。 全員、高齢者。 50代で引退しているなんて、私くらいのものなのでしょう。 で、この高齢者達の大半が、ボタンがあるシャツを着ているのには、呆れました。

  レントゲンを撮りに来ているのは、なんで、ボタンがないシャツを着てこないのよ? 馬鹿なんじゃないの? 一着くらい、あるでしょうに。 だーから、車内に入ってから、脱いだり着たりで、時間がかかってしまうのですよ。 あんな、狭っ苦しい所で。 一人だけ、ボタンなしのシャツを着て来ていた高齢女性がいましたが、手ぶらで、完璧なレントゲン検診対策をとっていました。 そういう用意のいい人もいるわけだ。 こういう場面で、頭がいい人と悪い人の差が、歴然と出ます。


  レントゲンの話は、どーでもいーとして、旧母自のパンクは、直さなければなりません。 その日は、疲れたので、翌日の25日に、やりました。 で、その時に撮ったのが、この写真です。


  木製の踏み台を、二つ積んで、その上に自転車の後部を載せました。 パンク修理は、タイヤのビードを片側外して、チューブを引き出さなければならないのですが、しゃがんでやるとつらいものでして、少しでも高い位置に上げた方が楽になるのです。 そんな事は、前から分かっていたのですが、踏み台を持って来るのが面倒で、なかなか、やる気にならず、今回初めて、試してみた次第。

  で、やってみたら、あーもー、全然、楽です。 地べたのままでやった時とは、比較になりません。 もっと、早くやりゃあ良かった。 もっと高くする事も可能ですが、作業中に、自転車が倒れる危険も予想され、そうなった時に、高過ぎると、自転車に押し潰されて、怪我をしたり、自転車そのものや、周囲にある他の物を、壊す恐れがあります。 自転車を跨ぐように脚立を立て、紐で吊っておけば、安全ですが、そこまでやるとなると、ますます、準備が面倒臭くなりそうですな。


  で、チューブを出し、空気を少し入れて、バケツの水に浸けてみたところ、思った通り、穴が開いていました。 細長いパッチを半分に切って、靴底修理ボンドで貼りつけて、修理。 そんな、ケチケチな直し方でも、直るから、パンク修理とは、結構アバウトな作業です。


  パンク修理の手順を書いておきますと・・・、

・ バルブを外す。 根元のナットまで外す。
・ タイヤ・レバーで、タイヤのビードを片側出す。
・ チューブを引き出す。
・ 少し空気を入れて、バケツに張った水に入れ、穴が開いている箇所を探す。
・ 穴周辺の水を拭き取り、テープなどで、修理する範囲をバミる。
・ 布鑢で、修理する部分をこする。
・ ペイントうすめ液で、修理する部分を拭き、脱脂する。
・ ゴム糊か靴底修理ボンドを塗る。
・ パッチを貼る。
・ 密着するようにハンマーで軽く叩く。
・ 糊が乾くまで、10分くらい、放っておく。
・ チューブをタイヤに入れる。
・ 少しだけ、空気を入れて、チューブ捻転を直す。
・ 手で、タイヤのビードを入れる。
・ バルブをつける。
・ 空気を入れる。

  こんな感じでしょうか。 タイヤ・レバーは、ビードを出す時には使った方が楽ですが、入れる時には、手でも入るので、せっかく直したチューブを傷めないように、手だけでやった方がいいです。 チューブは、タイヤから出す時には、バルブ部分を最後に出します。 入れる時には、バルブ部分を最初に入れます。

  穴が小さい場合、水から出すと、どこだか分からなくなってしまいます。 大体の位置を記憶しておいて、手早く、水を拭き取り、用意しておいたテープを4枚貼って、穴を中心に、パッチを貼る部分を囲ってしまえば、その後、穴を見失ってしまう事があっても、問題なし。 テープは、ガム・テープのような、粘着力が強いものが適しています。 穴そのものに、白いペイント・マーカーで印を付けても、後で、布鑢でこすると、消えてしまうので、面倒なようでも、結局、バミるのが、一番確実ですな。

  ゴム糊は、容器チューブの口で塗り延ばすと、多く出過ぎてしまうので、ある程度出したら、ラップを巻いた指先で塗り延ばすようにした方がいいです。 直接、指で触ると、せっかく脱脂したのに、また脂が入って、接着力を弱めてしまいます。 指も汚れますし。 まあ、汚れは、こすっていれば取れますけど、脂の方が問題ですな。

  ハンマーは、ゴム・ハンマーがあれば、その方がいいです。 指で押すだけだと、密着していない部分が残る恐れがあるから叩くのであって、別に、叩く事で、ゴム糊の接着力が高まるわけではないです。 親の仇のように、バンバン叩く必要はなし。 ゴム・ハンマー尚もて、その有様、況や、金槌に於いてをや。 バンバンバンバン! 直してんだか、壊してんだか、分かりゃしない。

  そういえば、たまーに、自分で布団を干して、布団叩きで、これでもかとばかり、バンバン叩く人がいますが、布が破れてしまうから、よした方がいいです。 「埃が出るから、仕方がない」? 埃は、叩き続けている間、いつまででも、出続けます。 布団そのものが、埃の塊だと言っても良い。 よくしたもので、たまにしか布団を干さない人は、たまにしか布団を叩かないわけで、近所迷惑になる事は、あまりないです。

  布団の話はさておき、パンク修理ですが、ゴム糊は、割と早く乾くとはいえ、やってはいけない事が一つあります。 「ちゃんと塞がっているかどうか、試す」と言って、チューブをタイヤに入れる前に、空気をパンパンに入れて、風船のように膨らませてしまう、アレです。 駄ー目駄目ーっ! せっかく、糊が乾きかけている接着面が、剥がれてしまうじゃ有馬温泉か。 もとい、ありませんか。 直してんだか、壊してんだか、分かりゃしない。

  空気をパンパンに入れるのは、チューブをタイヤに入れてからです。 ちょっと考えてみれば分かりますが、チューブは、タイヤの内径以上には膨らまない事を前提に作られています。 貼り付けたパッチが、チューブと一緒に膨らむなんて事もありません。 元の大きさのままです。 タイヤに収まっていれば、タイヤに押さえ込まれて、膨らめないんですな。 だから、接着面が剥がれる事がないのです。




  パンク修理は、バルブ不調のゆっくり空気抜けに比べれば、やる事がはっきりしているだけ気楽ですが、面倒は面倒ですねえ。 しかし、そんなに力が要るわけではないので、女性や子供でも、手順さえ分かれば、難しくはないです。 問題は、ちゃんと教えてくれる人がいないという事でしょうか。 私も、父がやっているのを、少し見た記憶がある程度で、ほとんどは、自力で覚えました。

  失敗すればすれほど、経験値が上がるタイプの作業なので、失敗を恐れ過ぎる必要はないです。 しかし、充分な経験を積んで、確実に修理ができる自信がついても、自分の自転車だけにしておいた方が無難。 人の自転車を直すと、感謝されるのは、その時だけで、「すぐにまた、パンクした」だの、「ゆっくり空気が抜ける」だの、文句ばかり言われて、結局は、「自転車屋へ持ってって」と言う事になります。

  そういう問題が起こらなかったとしても、やはり、感謝されるのは最初の一回だけで、二回目からは、直してやっても、当たり前のような顔をされるので、面倒な作業を引き受ける甲斐がないというもの。