2019/09/01

ワイヤー・インナー・エンド・キャップ

  またまた、自転車の修理の話。 バイク生活復活計画の方は、醜く歪んだ形で、細々と、バイク吟味を続行中。 あまり、長々と吟味を続けていると、完全に目的を見失って、ただ、日々の習慣として、吟味し続けているだけ、みたいになって来ますな。




  前回、≪後輪脱着基礎講座≫の中で、「ブレーキ・ワイヤーを外す」とか何とか、さらさらっと書きましたが、実際にやってみると、そんなに簡単ではないですわな。 ブレーキ・ワイヤーを外すには、曲者、「ワイヤー・インナー・エンド・キャップ」を外さなければなりません。 あの、ワイヤーの先っぽに被さっている、一方が袋になった、アルミ製の管の事です。

  曲者といっても、外し方は簡単で、プライヤーやペンチで、軽く挟んで、引っ張れば、抜けます。 強く挟むと、潰れて、ワイヤーに密着し、摩擦抵抗が大きくなって、抜け難くなります。 だけど、抜けないという事はないでしょう。

  抜くのはいいんですよ。 問題は、付け直す時に、悩む事ですな。 「さて、これを、このまま付けて、いいものなのか。 それとも、新品に換えるべきなのか」と・・・。 で、試しに、外したものを付けてみようとすると、入らない。 「あ、やっぱり、そのつど、交換するものなんだ。 新品を買って来なければ、駄目なんだ」と、ホーム・センターに走り、何十円か、何百円か、とにかく、いくらか出して、買ってくるわけだ。

「くだらん! 馬鹿な事に金を使いおって!」 机ドン! 「あんなもの、何度も再利用するに決まっておるではないか! いちいち、そのつど、わざわざ、買って来るようなものか!」

  だからその、押し潰される事によって、ワイヤーを挟み、それで、留まっているのですよ。 外す前に、押し潰されている向きを見て、縦に潰れているようだったら、プライヤーで横に挟み、軽く握ってやれば、潰れていたのが開いて、指でも抜けるようになります。 開かないまま、引っ張って抜いたとしても、抜いた後で、同じように、潰れを元に戻してやれば、新品とほぼ同じ状態になり、簡単に、ワイヤーを入れられるようになります。 潰れたままでは、ワイヤー端の棘棘が引っ掛かって、入らない。 というだけの話。


  そもそも、なんで、キャップが付いているかというと、ワイヤー端の棘棘を、剥き出しにしていたのでは、危ないし、縒ってあるワイヤーが解れてしまうから、それを覆って、押さえつけてしまおうというわけです。 アルミの袋管が使われるのは、それが一番、簡単な方法だからです。 他の物で代用しようとすると、抜けてしまったり、危険度が下がらなかったりで、いずれにしろ、うまく行きません。

  たとえば、最も安直に、ビニール・テープで巻くとする。 ワイヤーは、滑りを良くする為に、油脂が塗ってあるので、いとも容易に、抜け落ちてしまうでしょう。 それに、ビニール・テープでは、ワイヤーの解れを押さえ込む事は出ません。 では、ビニール・テープの上から、針金で縛るとする。 抜けませんし、解れも押さえられますが、今度は、針金の端が、危なくなります。 では、ビニール・テープは諦めて、ボルト・ナットで挟むとする。 それでは、重くなって、ブラブラ揺れ、ワイヤーが劣化してしまいます。

  結局、アルミの袋管が一番、いいわけだ。 袋になっていなくても、ただのアルミ管でも、端がちょっと危ないだけで、使えるには使えると思いますが、そもそも、あんな細いアルミ管なんて、日常・身の周りに、ありませんわなあ。 買って来ればあるかもしれませんが、それなら、袋管を買って来た方が、専用部品ですから、確実です。


  そういう事を知らない人が、たまたま、所有している自転車に付いていたキャップの潰しが不完全で、引っ張ったら、簡単に抜けてしまい、付け直す時に、スポッと抵抗なく入ったので、「ああ、ただ、挿しあっただけなんだろう」と思って、潰しをせずに走っていたら、いつのまにか、キャップがなくなってしまった。 ありそうな事ですな。 キャップが何の役をしているのかも分からないから、そのまま乗り続けていたら、ワイヤーが解れて来て、ささらのようになってしまった。 ありそうだ。

  そうなったら、もう、ワイヤーを交換した方が、いいでしょうねえ。 なに、ダイソーの108円商品で、売ってますよ。 長さが合わなかったら、長めのを買って来て、元のに合わせて、切れば宜しい。 アウター・エンドの方は、ブレーキ・ユニットの方に、受ける部分があるので、切ったままでも、問題なし。 今度は、インナー・エンド・キャップを忘れないように。

  インナー・エンド・キャップは、いくらくらい? アマゾンで、100個入りのが、送料入れて、100円ちょっとで、売っていますな。 100個か。 多いいなあ。 一生かかっても、使い切れないなあ。 一度、なくす経験をすれば、次からは、ちゃんと潰すようになって、二度と、なくさないから、一人一生に、1個あればいいんですよ。 しかし、1個売りでは、送料が、本体価格の数十倍になってしまいますなあ。 ハムレット風に言うと、その理不尽に耐えられるかどうか、それが問題だ。



  一応、写真を用意したのですが、旧母自だと、後輪の方は、ワイヤーの錆がひどくて、見るに耐えないので、前輪の方で撮りました。 何度か、再利用しているせいで、ボコボコになっています。 被写体が小さいと、なかなか、ピントが合わぬ。 やむなく、オート・マクロは諦め、マニュアルで撮りました。 なんぼか、早い。