2019/11/24

EN125-2A補修 ⑤

  EN125-2Aの補修の記録です。 例によって、前文に書く事がないので、近況報告をしますと、11月は、さすがに、寒い。 10日に2回のペースで、バイクを出していますが、すでに、ほぼ、冬装備になっています。 セローを処分した後、ブーツを売ってしまったのは、幾分、後悔される所ですが、通勤していた頃と違って、早朝や深夜に乗る事はないから、何とか、防寒ハイ・ソックスで乗り切ろうと考えています。




【ステム・ベアリング交換②】

≪写真1左≫
  外した前輪。 車軸は、ボルト側をスパナで固定し、ナット側を、別のスパナで回して外せば、後は、簡単に抜けて来ます。 抜け難い場合は、ゴム・ハンマーで叩いて抜きます。

≪写真1右≫
  泥除けを外すと、こんな感じになります。 フォークの下端を新聞紙で包んであるのは、留めてあるボルトを緩めると、ストンと落ちてしまう恐れがあるから。 片側、2本のボルトで留まっているだけなので、それを緩めたら、簡単に抜き取れました。

「少し高い台の上にバイクを載せて、前輪ごと、フォーク2本を抜いてしまえば、前輪を外さなくてもいいのではなかろうか?」

  という事を考えましたが、実際にやって見ると、2本同時に抜く事はできても、左右でギクシャク引っ掛かってしまって、同時に入れる事ができないから、没ですな。 地道に、前輪を外し、1本ずつ抜く方が、遥かに楽です。

≪写真2左≫
  ステム・ヘッドの手前側にある、ステム・ボルト。 このボルト、大きいので、合うスパナがなくて、モンキーを使いました。 モンキーの、ボルトに当たる面に、テープを貼って、キズがつかないように養生しました。

≪写真2右≫
  ステム・ヘッドを外しました。 ステム・ヘッドは、メーター、ハンドルと共に、上から吊ってあるから、落ちる事はありません。 四ヵ所にコの字型の溝が切ってある、ステム・ナットが見えています。 このナットは、車載工具のフック・レンチで外しました。 調整用なので、そんなに強い力で締めてあるわけではないです。

  車載工具に、フック・レンチが入っていないとか、入っていても、ここのナットとは径が合わないという場合、ホーム・センターで売っていますが、そんなに安いものではないです。 出費が嫌なら、貫通ドライバーを溝に当てて、ハンマーで叩けば、回る事は回ります。 しかし、荒技なので、キズはつきます。 ステム・ナットは見える所ですから、お薦めしません。 素直に、フック・レンチを買って来た方がいいでしょうなあ。

  ステム・ナットの下に、黒いプラスチックのレース・カバーがありますが、これは、被さっているだけなので、持ち上げれば取れます。 その下に、上側インナー・レースがありますが、それも、載っているだけなので、持ち上げれば取れます。

  すでに、フォークは抜いてあるので、これで、三叉が下へ抜けるはず。

≪写真3左≫
  ところが、抜けません。 下から覗いたら、ライトへ行くハーネスが、三叉の下を通っているじゃありませんか。 これでは、抜けるわけがない。

≪写真3右≫
  やむなく、養生して吊ってあったライトを外す事にしました。 ライトの中は、電線で、ごっちゃごちゃです。 コネクターを外して行くわけですが、線の色で、大体、分かるものの、違う色の線が繋がっている場合もあるので、分かり難そうなものは、外す前に、撮影しておいた方がいいです。 コネクターを外すごとに、全部撮影しても、いいくらいです。 一本同士の場合、どうやって外すか悩みますが、ラジオ・ペンチで、なるべく先端に近い方を挟んで引っ張れば、抜けて来ます。

≪写真4左≫
  三叉が抜けました。 ベアリングのボールが、数個、地面に落ちましたが、全て、見つかりました。 これは、上側のアウター・レース。 自転車では、ワンと言いますが、バイクの世界では、レースと言うようです。 黒い点が付いているのが、ボールの痕でして、痕が付くようでは、もう、回りが悪くなっているわけです。 

≪写真4右≫
  下側のアウター・レース。 ここは、一見、綺麗でしたが、よく見ると、やはり、痕が付いていました。

≪写真5左≫
  三叉に付いている、下側インナー・レース。 がっちり、嵌まり込んでいます。 これを外すのに、小さい貫通ドライバーと、ハンマーを使ったのですが、金属のスペーサーのようなものが付いていて、それを、ぐちゃぐちゃにしてしまいました。

≪写真5右≫
  上側インナー・レース。 これだけは、載っているだけなので、簡単に外れますが、他の三つは、ハンマーと貫通ドライバーで、叩き出さなければなりません。

  左側にあるのは、ベアリング・ボールの一部。 錆びています。 私の場合、スプレー・グリスを吹き込んだ後だったから、グリスはありましたが、ネットで見た、よそ様の例では、飛んでしまって、カラッカラになってしまっている事が多いそうです。



【ステム・ベアリング交換③】

≪写真1左≫
  上側アウター・レースは、大きな力で圧入してあるので、叩き出す以外に、外す方法がありません。 貫通ドライバーという、持ち手の後ろに、金属部分が出ている、長いマイナス・ドライバーを使います。 下から差し込んで、レースの裏側に当て、ハンマーで叩くわけです。 写真は、抜いた後。

≪写真1右≫
  下側アウター・レースを抜いた後。 下側の方が、上から叩ける分、作業は楽でした。

≪写真2左≫
  外した、レース。 右下の、クチャクチャになっているのは、三叉に付けられていた、下側インナー・レースの、スペーサーです。 復元しようと、苦労したのですが、この程度にしかなりませんでした。 しかし、新しく買った、ステム・ベアリングは、タイプが違っていて、このスペーサーは不要でした。 助かった。

≪写真2右≫
  ヤフオクで買った、ステム・ベアリング・セット。 送料込みで、1680円。 未使用品。 元は、中国から取り寄せられた純正品だと思います。 ボールは、上側と下側で、大きさも数も違います。 下側は、大18個。 上側は、小22個。 必要数に対し、それぞれ、2個ずつ、余分に入っていました。 良心的だ。

≪写真3左≫
  三叉に、下側インナー・レースを付けます。 新しいレースを打ち込む時には、古いレースを逆さまにして重ね、古いレースを叩く事で、新しいレースにキズがつく事を避けます。

≪写真3右≫
  叩き方ですが、鉄パイプや塩ビ・パイプを通して、それを叩くという裏技を、ネット情報で読んだものの、適当なパイプがないので、物置にあった角材2本を持って来て、写真のように、三叉の芯を挟み、角材の上端を叩く事で、キズ対策にしました。 木材なら、どんなにガンガンやっても、金属にキズがつく事はないです。

≪写真4左≫
  ピッタリ、下まで入ったら、OK。 キズ避けにした古いレースも嵌まり込んでしまいますが、それは、三叉の上下を逆にして、貫通ドライバーを当て、ハンマーで叩いてやれば、抜けます。

≪写真4右≫
  ステムの上側に、新しい上側アウター・レースを打ち込みます。 これも、古いレースを逆さまにして重ね、古いレースを叩く事で、キズを避けます。 音が変わったら、打ち込み完了。

≪写真5左≫
  下側アウター・レースは、位置的に、ハンマーを使い難いですが、何とかなります。 なかなか入って行かないからといって、貫通ドライバーを、直接、新しいレースにあてがって、ハンマーで叩たりすると、先が外れて、ボールが入る部分をキズつけかねないので、必ず、逆さまにした古いレースを重ねて、ハンマーで叩くようにします。 こちらも、音が変われば、OK。

  嵌まり込んでしまった古いレースが取れなくなり、適当な大きさの金属片を嵌めて、それを、上から、貫通ドライバーとハンマーで叩く事で、何とか、外しました。

≪写真5右≫
  レースが嵌まったら、グリスを塗り、その上に、ボールを並べて行きます。 数が決まっているから、その数だけ並べれば、OK。 ボールの数は、同じ車種のネット情報を調べていれば、その内、書いてあるところに辿り着くと思います。 たぶん、誰かが、書いています。

  この写真は、すでに、三叉を付けた後ですが、付ける前に、三叉上の下側インナー・レースにも、同じように、グリスを盛り、ボールを並べます。 ボールを並べた後、上から、また、グリスを盛ります。 下側も上側も、やる事は同じです。

  このグリスは、折り畳み自転車のボトム・ブラケットを直した時に、ホーム・センターで、蛇腹容器に400グラム入っているのを、168円で買って来た、「AZ シャーシーグリス DS770」というもの。 本当なら、高速ベアリング用のグリスが望ましいのですが、対応温度域が狭いだけだったので、大丈夫だろうと思って、流用しました。 私は、苛酷な環境では、バイクに乗らないからです。 ちなみに、高速ベアリング用のグリスであっても、200円か、300円くらいで買えると思います。

  この後、上側インナー・レースを載せ、黒いプラスチックのレース・カバーを被せ、コの字型の溝が四ヵ所切ってあるステム・ナットを付け、締め具合を調整します。 ネット情報によると、ハンドルの動きが鈍くなるほど、締め過ぎなければ、良いとの事。

  ステム・ヘッドを被せて、ステム・ボルトを締め、ハンドルの動きがスムースである事を確認します。 きついようなら、ステム・ボルトを緩めてから、ステム・ナットをフック・レンチで回して、締まり具合を調整します。 ステム・ヘッドが付いた状態でも、ステム・ボルトを緩めてあれば、ステム・ナットは回せるように出来ています。

  しかし、この調整方法は、一般的なもので、私は、その辺は、かなり、テキトーにやりました。 この車種だけかも知れませんが、ステム・ナットを、きつく締めてしまっても、ハンドルの動きが悪くなる事がなかったからです。 ちなみに、ステム・ボルトの方は、きつく締めます。 抜けると、大変な事になるので。

≪写真6左≫
  あとは、分解の逆の手順で、組み立てるだけですが、これが、分解よりも、手こずりました。 フォークを付け、前輪まで付けた後で、ブレーキ・ホースの取り回しを間違えている事に気づき、また、フォークを外すところまで分解したりしていたので、1時間以上、ロスしたと思います。 ギッチリ、日が暮れるまでかかりました。

  主な部品の組み立て順序は、「ステム・ヘッドを付ける」→「フォークを付ける」→「泥除けを付ける」→「前輪を付ける」→「キャリパーを付ける」→「メーター・ケーブルを繋ぐ」→「ライトを付ける」になります。

  細かい注意点ですが、フォークを挿した後、前輪を付けない状態で、一旦、車軸だけを通してから、フォークの固定ボルトを締め付けます。 そうしないと、フォークの向きが決まらないからです。 フォークを挿す前に、ライト・ブラケットや、エンブレム・プレートを通すのを忘れないように。

  泥除けは、見た目、単純な部品なので、油断しがちですが、取り付けボルトに、ケーブル・ガイドなどが共締めになっている場合があるから、分解途中の写真を参考にしながら、注意して、元通りに組んで行きます。

  ブレーキ・キャリパーは、先にディスクに嵌め込んでから、フォークに締め付けます。 キャリパーは、パッドを外さなくても、パッドの隙間にディスクを押し込んで、ゴム・ハンマーで叩けば、入って行きます。 かなり、乱暴にやっても、壊れるような事はありません。 キャリパーが、なかなか入って行かないからと言って、ホースを曲げ過ぎないように注意。 

  それより何より、私の苦い経験から言うと、フォークを付ける前に、ホースや、ハーネス、ケーブル、ワイヤーなどが、フォークの前後、どれがどこを通っているか、分解途中の写真で確認して、絶対、間違えないようにするのが、一番、大事でしょうか。 後で、間違いに気付くと、真っ青になります。

≪写真6右≫
  組み写真のスペースが余ってしまったので、新しく買ったステム・ベアリングの封筒の写真でも。 ちょうど、分解が終わったところで、届きました。 グッド・タイミング。 ヤフオクで買ったので、忙しい最中に、受け取り連絡や、評価などしなければなりませんでしたが、そんなのは些細な事でして、安く譲って下さった出品者の方には、感謝しています。


  で、ステム・ベアリング交換の成果ですが、曲がる時の不安定さは、全くなくなりました。 まあ、これが、普通なんですけど。 交換前は、ライディングを楽しむどころではなかったので、まともになって、苦労した甲斐があったと思っています。 僅か、1680円の出費で直ったのは、素晴らしい費用対効果と言うべき。

  しかし、この作業、難易度が高いので、単純には、人様に薦められません。 最低限、フォークまでは外した事があるとか、自転車で、ステム・ベアリングを脱着した事があるとか、何らかの下地経験が必要だと思います。 全くない場合、フォークまで外して、また組み立てるという作業をやれば、経験が出来るわけですが、ただ経験する為だけに、そういう事をする人は、いないでしょうなあ。 だけど、騙されたと思って、やっておけば、本作業の時の安心感や、進捗の円滑度が全く違って来ると思います。

  とはいえ、それでも、難易度が高い事に変わりはなく、新しいレースをキズつけてしまったとか、組み立てられなくなったとか、作業途中で、バイク店に電話して助けてもらわなければならないような事態になると、お金が、いくら出るか分かりません。 それなら、最初から、プロに頼んでしまった方が、確実です。 ただし、それは、その店で買ったバイクの場合。

  よそで買ったとか、並行輸入のバイクの場合、断られる事が多いようです。 「部品が手に入らない」と言われるのだとか。 新しいステム・ベアリングだけ、ネットで買って持って行けば、作業を引き受けてくれる店が、ないでもないらしいですが、それでも、断られると、嫌な気分になるでしょうねえ。 「部品が手に入らない」というのは、どう考えても、断る為の口実でして、整備士だって、ネットで物を買う事はできるのですから、手に入らないという事はないでしょう。 本心は、慣れていない車種だから、場面場面で頭を使わなければならず、面倒だから、やりたくないんでしょうな。


  自分でやる場合、工具がないと始まりません。 組スパナやハンマーくらいは、誰でももっていると思いますが、他に、どうしても要ると言うと、貫通ドライバーですな。 マイナス・ドライバーで、持ち手の後ろまで、金属の芯が貫通しているタイプです。 ステムの長さを測って、それよりも、芯の露出部分が長い物を買わないと、意味がありません。 結構、高いと思います。

  鉄筋や、ホーム・センターで安く売っている、ネジをきった鉄の棒の片端を削って、マイナス・ドライバーのような形にすれば、代用できると思いますが、それには、グラインダーが必要です。 家になければ、買うしかなく、その方が高くつきます。 もっとも、グラインダーは、買っておくと、いろいろと便利ですけど。

  三叉のレースを外す為に、小さい貫通ドライバーも要りますが、壊してもいいというのなら、100円ショップの普通のマイナス・ドライバーでも、代用が利きます。 他に、分解や組み立ての時に、ゴム・ハンマーがあると、便利です。 工具は、一度買えば、他の作業にも使えますから、損にはなりません。



【補修完了後の外観】

  ステム・ベアリングの交換が終わり、バイクの補修が、終わりました。 何か不具合が発生しない限り、しばらくは、何もしません。 というわけで、外観をお披露目します。 肉眼で、しげしげ見ると、新品同様には程遠いですが、写真では分からないと思います。 前からの写真は、以前、出したので、割愛。

  EN125-2Aだけでなく、125ccの並行輸入バイクは、みんな、同じようですが、フル・サイズよりも、僅かに小さいです。 全長だけなら、250ccクラスでも、フル・サイズより、少し短いというのが、いくらもありますが、125ccの並行輸入バイクは、全長が短いのに加えて、シートも低いのです。 全体的に、フル・サイズ・バイクの平均より、5パーセントくらい小さいといったところ。

  フル・サイズ・バイクの相似形だから、バイクだけで見ると、立派に見えますが、比較対象として、人間が横に立ったり、乗ったりすると、「少し、小さいな」と感じます。 しかし、スモール・サイズとは違って、乗車位置が後ろ過ぎる感じはしません。 微妙な小ささなんですな。 バイクに興味がない人だと、気づかないかも知れません。

  シートが低いので、乗車姿勢は、普通のオン・ロード・バイクより、楽です。 オフ・ロード車のセローと比べても、ほんの僅かに、前傾姿勢になる程度。 シート幅も広く、ドッシリ座る感じです。 楽過ぎて、人車一体感という点では、少し、不満があるくらいです。


  一番下の写真ですが、ステム・ベアリングを交換した時、テキトーにフォークを組み付けたせいで、アクセル・ワイヤーをフォークの後ろに通してしまい、試し乗りで、アイドリング中でも、回転数が上がって、大変な目に遭いました。

  タンクを外して、ワイヤーのキャブ側端を抜き、通し直して、何とか、正常に復帰させました。 この写真は、直した後に撮ったもの。 一番手前に見えるワイヤーがそれですが、これが、フォークの後ろに通っていたのですから、そりゃ、撓んで、回転がおかしくなるのも、無理はない。

  それ以後は、これといった問題は起きていません。




     今回で、バイクの補修シリーズは、一応、終わりです。 塗装は、思った以上にうまく行ってしまい、自分でも驚いている次第。 最初に、色が真っ白に褪せたラインを見た時には、ほんとに、ガックリしましたけど、自分で文句が出ないくらい、綺麗に復旧できて、大変、満足しています。

  チェーンの交換は、想定外でしたが、作業難易度的には大した事はないし、チェーンの値段も、驚くほどではなかったから、割とすんなり、事が進みました。

  ステム・ベアリングは、買う前から、正常でないと分かってはいたけれど、まさか、本当に、自力交換する事になるとは思っていませんでした。 能力的にできるとも思っていませんでしたが、ネットで調べている内に、何とかなるかと思い始め、実際にやったら、悪戦苦闘しながらも、何とかなったという次第。 しかし、本文でも書いている通り、人様には薦めません。

  実は、もう一つ、スプロケットを交換して、ロー・ギヤードから、ハイ・ギヤードにしようという計画もあったのですが、それは、とりあえず、見送る事にしました。 EN125-2Aは、ノーマルのままだと、平地で、5000回転で、時速55キロくらいしか出ません。 バイパスのように、流れが速い道では、ちと、苦しくなりますが、エンジンが唸るのを気にせず、5000回転以上回せば、60キロ以上出るから、まあ、何とかなるかというところ。

  通勤や通学でバイパス道路を使っている人や、長距離ツーリングをする人は、ハイ・ギヤードに換えれば、使い易くなると思うのですが、私の場合、街乗りか、近場の山道くらいしか行きませんから、ノーマルのままでも、そんなに不都合がないのです。 むしろ、山登りには、ロー・ギヤードの方が、使い易いという面もあります。

  ネット情報は、便利ですが、ネット情報独特の落とし穴に注意する事も必要です。 「EN125-2A スプロケット交換」で検索すると、スプロケット交換をした人の情報が引っ掛かって来るわけですが、それらを読んで、「みんな、交換しているらしい」と思い込んでしまうのは、とんだ、間違い。 交換せずに、ノーマルで乗っている人の情報は、そういう検索に引っ掛かって来るわけがないのだから、交換している人の比率なんて、分かるわけがありません。 常識的に考えれば、換えてない人の方が、多数派だと思います。

  日本メーカーの正規店で売られているスポーツ・バイクは、ほとんどが、ハイ・ギヤードなので、先に、そちらで慣れた人が、ロー・ギヤードのバイクに乗れば、「スピードが出ない」と文句を言うのは当たり前。 しかし、ロー・ギヤードには、ロー・ギヤードの利点があるのであって、それに気付く前に、ハイ・ギヤードに換えてしまうのは、経験値的に、もったいないと思います。


  バイク関連としては、まだ、やった事があり、それは、いずれ、また、紹介します。

2019/11/17

EN125-2A補修 ④

  EN125-2Aの補修の記録です。 例によって、前文に書く事がないので、近況報告をしますと、今は、これと言って、何もやっていません。 来年の夏に被る、猛暑用ヘルメットをどうするか、検討しているだけ。 少しでも頭皮温度が高くなるのを遅くする為に、シルバーのシールド付きジェット・ヘルが欲しいのですが、安い新品を買うか、有名メーカーの中古品を買うかで、迷っています。




【チェーン交換①】

  EN125-2Aの補修です。 9月28日に、チェーンの張り調整をしようとしたところ、場所によって、張り具合が異なる事に気づきました。 チェーンが部分伸びしているのです。 調整できる事ではないので、新しいチェーンをアマゾンで注文しました。

≪写真1左≫
  10月2日の午後に、届けられました。 クロネコヤマト。 プチプチ・ビニールが中に貼られた封筒でした。

≪写真1右≫
  中身。 「EK 強化ノンシールチェーン 428SR スチール 118L 【クリップジョイント】」。 2633円。 ポイントが23あったので、それを使って、2610円。 「118L」というのは、コマが、118個あるという意味です。 バイクの取扱説明書に、指定があります。 私は、取扱説明書をもっていませんが、ネット上に、全ページを公開しているところがあったので、そこで確認しました。

  ちなみに、アマゾンに、同じ銘柄、同じタイプのチェーンで、コマ数が多いのに、これより安いという品もありました。 チェーン・カッターを持っている人なら、そちらの方が得になるわけですが、値段の差は、僅かです。

≪写真2左≫
  10月3日に、交換作業をしました。 まず、センター・スタンドを立てます。 普通、センター・スタンドを立てると、後輪が浮くので、後輪周りの作業は、割と楽です。

  チェーン・カバーを外した後、ドライブ・スプロケット・カバーを外した様子。 このカバーは、3本のボルトで留まっているのですが、7ミリのソケット・レンチがないと外せません。 ちなみに、7ミリは、ダイソーで売っているソケット・セットの中に含まれています。

  ドライブ・スプロケット・ギヤの周辺は、チェーン・グリスがこびりついて、固まっています。 こういう汚れは、ホーム・センターで安く売っている、パーツ・クリーナーというスプレーを吹きつければ、落とせるらしいですが、EN125-2Aの場合、シフト・インジケーターのセンサー・ケーブルが通っていて、電気系統に液物をぶっかけるのは怖いので、ペイントうすめ液をウエスにつけて、拭くに留めました。

≪写真2右≫
  後輪車軸・後ろ側の、左右についている、チェーン・アジャスターを緩めて、車輪が前に行くようにしておきます。 車種によって、アジャスターには、何種類かありますが、どの方式であっても、しばらく睨めっこしていれば、どんな仕組みになっているか、分かります。 そんなに、複雑なものではないです。

  EN125-2Aの場合、固定ナットを緩めると、アジャスト・ボルトが回るようになるというタイプでした。 アジャスト・ボルトは、締め込むと、車輪が後ろに行き、緩めると、前に行きます。 後ろに行かせたい時には、アジャスト・ボルトを締めて行けば、自然に引っ張られますが、前に行かせたい時には、アジャスト・ボルトを緩めた上で、車輪の後ろ側を押したり蹴ったりしなければなりません。 そういう事も、睨めっこしていれば、自然に分かるようになります。

≪写真3≫
  アジャスターを緩める前でも後でもいいのですが、車軸ボルト・ナットを緩めます。 マフラーにウエスを掛けてあるのは、スパナが当たって、キズがつかないように養生してあるのです。 緩める時にも、締める時にも、ボルトの方は、動かさず、ナットの方を回します。 チェーン交換や、張り調整の作業では、後輪を外すわけではないので、車軸を抜く必要はなく、ナットを緩めるだけにします。

  車軸は、ボルトとナットで、二面幅が違っていて、大きい方は、普通の組みスパナのセットには入っていないので、モンキーを使うか、買って来るか、どちらにかなります。 モンキーはナメ易いから、車軸を緩め締めする事がよくあるのなら、大きいスパナを買ってしまった方がいいです。 私が使ったのは、セローの時に買ったもの。 EN125-2Aでも、使えました。

  ナットが、キャッスル・ナットになっている場合は、ピンをプライヤーなどで真っ直ぐにして抜いてから、ナットを緩めます。 EN125-2Aは、ロック・ナットでした。 緩め締めするたびに、交換した方が良いらしいのですが、簡単に手に入らないので、再利用します。 しっかり締めて、定期的に、緩んでいないか確認するようにします。

  このバイクは、後輪ブレーキがドラムからディスクに改造してあり、その関係で、ブレーキの角度固定ボルト・ナットを緩める必要がありました。 作業終了後には、忘れずに、締め付けておきます。 ドラムはドラムで、ロッド調整などが必要らしいです。 私は、ドラム・ブレーキ車のチェーンを弄った事がないので、詳しい事は分かりません。

≪写真4左≫
  チェーンの外し方ですが、車輪を回して行って、クリップが付いているコマを探します。 他と違うので、かなり汚れていても、すぐに分かります。 クリップは、ラジオ・ペンチで外します。 ラジオ・ペンチは、100円ショップでも手に入ります。 クリップの口側の端と、コマの反対側の軸を挟むようにして、力を入れると、外れます。

  その際、クリップが飛んで、見失ってしまう事があるので、飛ぶ側に、ダンボール箱を置くとか、新聞紙を張るとかして、分かる所へ着地するようにしておいた方が無難。

≪写真4中≫
  外したクリップと、コマの手前側板。

≪写真4右≫
  この状態になれば、奥側板と軸は、奥側へ抜けて来ます。 抜け難い時は、ラジオ・ペンチで、隣のコマの手前側板と挟むようにすれば、抜けます。 書き忘れましたが、この種の作業は、軍手必須です。 汚れるし、怪我もし易いので。

≪写真5≫
  外れました。 ダランとしています。 新しいチェーンの説明書には、古いチェーンと新しいチェーンを仮連結して、引っ張って入れ換えろとありましたが、チェーン・カバーも、ドライブ・スプロケット・カバーも外してあれば、そんな事をする必要はありません。 古いのを外して、新しいのをかけるだけです。



【チェーン交換②】

≪写真1左≫
  新しいチェーンの中身を出しました。 大きい袋には、チェーン本体が、小さい袋には、クリップと、連結部のコマが入っています。 新しいチェーンには、脂がついているので、素手で触らないように。 手を汚してしまいます。

≪写真1右≫
  箱の裏に、図入りの説明書が印刷してありました。 バイク整備の難易度としては、かなり、低い方なので、全く経験がない人でも、説明を読めば、できると思います。 ただし、車軸や、チェーン・アジャスターの緩め方などは書いてないですから、そちらは、他で調べなければなりません。

≪写真2≫
  新しいチェーンに交換した様子。 アジャスターで張り調整してから、後輪を回してみると、どの場所でも、一定の張り具合になりました。 やはり、古いチェーンは、部分伸びしていたわけだ。 車軸のボルト・ナットも、この時点で締めてしまいます。

≪写真3左≫
  ドライブ・スプロケット周り。 うすめ液で拭いたから、幾分、綺麗になっています。 ちなみに、このギヤは、14Tで、歯が14枚あります。 ドライブ側ギアの歯の枚数を増やせば、ハイ・ギヤードになり、高速域で使い易くなります。 ネット情報によると、16Tまで入るらしいです。

  ただし、この大きなナットを緩めるには、大きなスパナか、ソケットが必要で、それだけで、千円くらいする模様。 ギヤは、2000円くらい。 何をするにも、タダというわけには行きませんな。

  ドリブン・ギヤの方なら、交換に特殊な工具は不要ですが、その代わり、後輪を外さなければなりません。 ドリブンは、デフォルトのままの、45Tがついていました。 こちらを、42Tにすれば、ドライブ側を15Tにしたのと、ほぼ同じギヤ比の、ハイ・ギヤードになるそうです。 ギヤの値段は、ドライブ側より少し高くなります。

  兄弟車種の、GN125のデフォルト部品で、43Tというのがあり、それなら、新品同様の中古部品が安く出回っていますが、45Tから、43Tでは、あまり、差が感じられないかもしれません。 おっと、チェーン交換とは関係ない話に脱線してしまいました。

≪写真3右≫
  クリップは、外した時の逆の要領で、ラジオ・ペンチで、軸と挟み、取り付けます。 向きがあって、チェーンが進む方向に、クリップのU字側が来ます。 チェーンの下側で連結するなら、車体後ろ側にU字側が来る事になります。

≪写真4左≫
  チェーンに注す油ですが、グリスだと、固まって、こびりついてしまうので、エンジン・オイルを注しておく事にしました。 別に、裏技というわけではなく、エンジン・オイルを使うように指定してあるバイクもあります。

  オイルは、車用のがあったのですが、油注しを、2・3年前に捨ててしまっていました。 で、ヨーグルトの容器に厚紙で口を付けたのが、これ。 早速、エンジン・オイルを入れて、チェーンに注してみたのですが、狭い所では、容器が他へ当たってしまって、うまく注せません。 あえなく、断念。

≪写真4中≫
  ホーム・センターに行ったら、油注しがあるにはありましたが、305円と、値段が高い。 そこで、100円ショップ、セリアへ行き、園芸用の水差しを買って来ました。 似たようなものでしょう。 

≪写真4右≫
  で、エンジン・オイルを入れて、使ってみたら、まずまず、油差しと同じように使えました。 余分な油は、ウエスで拭き取ったのですが、その程度で、拭き取れるものではないようで、この後、試し乗りで、飛び散る事になります。


  これで、チェーン交換作業は終わり。 難易度は、5段階なら、2。 10段階なら、3くらいでしょうか。 チェーンの張り調整をした事がある人なら、誰でもできると思います。



【ステム・ベアリング交換①】

  ヤフオクに出品されていた時点で、説明文に、「ステム・ベアリングが、へたり気味」と書いてあったのですが、初乗りしたら、確かに、ハンドリングがおかしい。 まず、ハンドルが、妙に重いです。 次に、真っ直ぐに走っている時にはいいのですが、交差点で曲がる時に、方向が定まらない感じで、手でハンドルを押さえ込まないと、思った所へ進んで行ってくれません。 これは、怖い。

  ワン(レース)の隙間から、スプレー・グリスを吹き込んで、ハンドルの重さは解消されましたが、曲がる時に方向が定まらないのは、どうにもならず、結局、ステム・ベアリングを交換する事にしました。

  作業難易度は、かなり高くて、5段階なら、4、10段階なら、7くらいでしょうか。 私は、自転車のレストアで、ワンを外した経験があるから、何とかなるだろうと思って、自分でやりましたが、バイク屋に持ち込んで、整備士に任せてしまっても、全然おかしくないような作業です。 工賃だけで、2万円くらいかかるそうですが、そう聞いても、ちっとも、高いとは思いません。 もし私が、人から頼まれたとしたら、2万円くれると言われても、断ります。

≪写真1≫
  まず、ネットで、ステム・ベアリングを自力交換した人の、サイトやブログを読み漁りました。 車種によって、異なる部品もあるのですが、同じ車種だけだと、記事の数が少ないので、応用できる事を狙って、10件以上は、経験談やハウツー解説を読みました。 多ければ多いほど、いいと思います。

  その上で、作業手順を書き出しました。 メモ帳テキストで書いて、A4コピー用紙に印刷したら、表裏になりました。 これを作業場所に貼って、見ながら進めました。 実際には、想定外の事態が頻発し、この通りには行かなかったのですが、目安にはなりました。

  作業は、10月9日に行ないました。 始める前に、各部の撮影をしておきます。 もちろん、作業途中にも、撮影します。 カメラをラップで包んで、レンズだけ出るようにし、手が汚れていても、持てるようにしておくと良いです。 分解したら、必ず、組み立てなければならないので、撮影は、こまめにしておくほど、後で助かります。

≪写真2左≫
  タンクを外します。 EN125-2Aの場合、簡単に外れると知って、当日の朝に、手順書に追加したもの。 タンクがなければ、工具を当てる心配がなくなるので、ステム周りの作業が、相当には、楽になります。

  まず、シートと、サイド・カバーを外します。 次に、タンク後端にある、ボルト2本を外します。

≪写真2右≫
  白いコネクターを外します。 黄色と黒の線が繋がっているもの。 

≪写真3左≫
  ガソリンのコックを閉め、燃料フィルター(白っぽい筒状の部品)の上にあるクランプをズラし、ホースを抜きます。 この時、ホース内にあったガソリンが少し零れるので、下に雑巾を当てておくと良いです。 燃料フィルター内のガソリンが零れないように、テープなどで、フレームに貼り付けておきます。

≪写真3右≫
  タンクは、後ろに引き出すようにすると、抜けて来ます。 後端のボルトの所に、スペーサーのような板が挟まっているので、タンクを外す時に、落とさないようにします。

≪写真4左≫
  カー・ポートの梁に、ロープを通しました。 ハンドルとライトを吊る為です。 天井がない場合、脚立があれば、工夫次第で代用できると思いますが、脚立がバイクの方に倒れて来ないように、重石を載せておくなど、対策が必要です。

≪写真4右上≫
  ライトを、新聞紙で養生した様子。 しかし、結果的に言うと、この養生は、全くの無駄に終わりました。 ライトは、コネクターを抜いて、完全に外してしまわなければ、ステムの三叉を抜く事ができない事が、後になって分かったのです。

  ハンドルとメーター、ステム・ヘッドは、一体のまま、要所を養生した上で、吊っておけば、外さなくても行けます。 その際、ミラーは、外しておいた方が、無難。 ハンドルを吊った時に、バランスが悪くなるのを避ける為です。

≪写真4右下≫
  バイクは、センター・スタンドをかけると、後輪が持ち上がります。 前輪が着地したままでは、ステム・ベアリングの交換ができませんから、前輪側を持ち上げます。 私は、踏み台と、ジャッキを使いました。 ジャッキとエンジンの間には、新聞紙で包んだ板を挟んであります。 エンジンにキズをつけない為です。 前輪が、少し浮けば、OK。

≪写真5左≫
  前輪車軸付近にある、メーター・ケーブルを抜きます。 ウエスで包んだ上で、プライヤーで挟んで回せば、緩みますから、後は、指で回して、外します。 付ける時は、その逆。 ワイヤー・インナーの先端は、マイナスの形に溝が切ってあるので、付ける時には、それを合わせます。

≪写真5右≫
  ブレーキ・キャリパーは、フォークに留めてあるボルト、2本を緩めれば、外せます。 ディスクから抜け難い時には、ゴム・ハンマーで叩いてもいいです。 外れたら、ホースはそのままにして、新聞紙で包み、本体フレームから、紐で吊っておきます。 上の方で、ホースをクランプで留めてあるボルトなどがあったら、そこも外しておきます。




  今回は、ここまで。 前回の後文で予告した通り、【ステム・ベアリング交換】は、途中までになり、次回に続きます。 組み写真のコマ割りが、細かくなり過ぎて、解説文と照合するのが、大変、面倒になっていると思いますが、写真のアップの都合上、バラバラにすると、私の方の負担が、膨大な物になってしまうので、御容赦あれ。

2019/11/10

EN125-2A補修 ③

  EN125-2Aの補修の記録です。 今現在、バイクの補修は、もう終わっていて、その後、冬用ヘルメットの色を塗り替えましたが、それも終わりました。 しかし、バイク関連の厄介事は、まだ残っていて、真冬になる前に、アンクル・ウォーマーを買わねばなりません。 更に、来年夏の猛暑対策として、シルバーのシールド付きジェット・ヘルを、冬の内に買っておこうかと思っています。 夏になると、白やシルバーのメットは、売り切れてしまうので。




【デカール補修塗装①】

  9月28日に行なった、タンク右側と、右リヤ・サイド・フェンダーの、デカール補修塗装。

≪写真1≫
  デカールの、色が褪せていた部分を塗り直そうと、まずは、マスキングを施しました。

≪写真2左≫
  使用した塗料。 どちらも、ダイソーで買って来たもの。 左は、車の灰皿前面板の下地を塗るのに使った、アクリル塗料の艶あり黒。 右は、新たに買って来た、ラッカー塗料の赤です。

≪写真2右≫
  塗る所は、タンクと、リヤ・サイド・フェンダーだけですが、他の所に塗料がつくとまずいので、新聞紙で、バイクの右半分を、ほぼ覆う事になりました。 新聞紙の貼り付けも、マスキング・テープを使いました。 剥がした時に、糊が残り難いからです。

≪写真3≫
  黒は良かったのですが、赤の方は、直接、吹いたら、弾かれてしまって、全然塗れず、やむなく、車のバンパー塗装の時に使った、プラサフを吹きました。 完全に灰色になるまで塗り重ねます。

≪写真4・5≫
  結果。 一見、綺麗に塗れたようですが、本来、赤から黒へ、グラデーションになる部分を、黒で塗り潰してしまったので、左側と比べると、明らかに、変です。 どうにも、しょぼい感じ。 この後、やり直す事になります。



【デカール補修塗装②】

  タンクと、リヤ・サイド・フェンダーの右側デカール補修塗装ですが、一度塗ったものの、出来が気に入らなくて、10月1日から、5日にかけて、塗り直しました。

≪写真1≫
  リヤ・サイド・フェンダーの方で説明します。 これは、最初に塗った塗料を、コンパウンドで、こすり落とした後の様子。 ラッカー・うすめ液で拭き取る事もできますが、元の塗装を溶かしてしまう恐れがあるので、コンパウンドを使いました。

  この後、黒を塗り直し、一日、乾燥させました。

≪写真2≫
  10月2日、最初、黒だけで塗り潰した部分に、グラデーション塗装を施しました。 黒から赤へ変化して行くように見える部分が、それです。

  グラデーション塗装は、面積が小さい場合に限り、難しい技術は不要で、たとえば、□□□の、左を黒、真ん中をグラデーション、右を赤にしたい場合、最初、全体を黒に塗り、その後、右の□だけ塗るつもりで、赤のスプレーを吹けば、真ん中の□が、自然に、黒から赤へのグラデーションになります。 スプレーは、周辺部が疎らになる現象を利用したもの。

  この状態で、3日間、乾燥させました。 グラデーション部の上に、マスキングしなければならないので、充分に乾燥させた次第。

≪写真3≫
  10月5日に、中央の赤いラインを塗って、完成した様子。 これは、タンク右側です。 グラデーション部に使っている赤と、中央のラインに使っている赤は、全く同じスプレーなのですが、下地が黒で塗られているか、薄灰色のプラサフの上に吹いたかで、色調が変わり、変化がついています。

≪写真4≫
  これは、タンク左側。 こちらは、色褪せしていなかったので、元の色が残っています。 補修塗装した右側と比べると、グラデーションの変化位置が少し違うだけで、ほとんど、変わりません。 片側ずつ見たのでは、全く分からないです。

≪写真5・6≫
  リヤ・サイド・フェンダーの右側と左側。 こちらは、グラデーションの変化位置も、ほぼ同じなので、ますます、違いが分かりません。

  正直、塗装は苦手でして、こんなに巧く出来るとは思っていなかったので、満足しています。 近づくと、角度によっては、段差が見えてしまい、元々の状態とは大違いなのですが、まあ、中古で買ったバイクですから、これで、充分です。



【荷台当たり止め】

≪写真上≫
  ヨーグルト・パックの台紙で作った、厚紙細工。 これを、何に使うかと言いますと・・・。

≪写真中≫
  バイクの荷台の一角に嵌めます。 こうしておけば、バイクがブロック塀に当たっても、荷台のメッキ面がキズつく事がありません。

  置き場所の都合上、バイクを、車の後ろに、斜めに置いているのですが、車をバックさせた時、うっかり、下げ過ぎて、バイクの前輪に当ててしまい、バイクが後ろに押されて、荷台がブロック塀に当たってしまった事があるのです。

  ところが、この程度の嵌まり込みでは、上から、バイク・カバーを掛けた時に、簡単に落ちてしまう事が判明しました。

≪写真下≫
  で、厚紙を追加で貼り付け、嵌め込み部分を深くしました。 これで、カバーを掛けた時に落ちる事はなくなりました。

  ところが、台風の時に、カバーがめくれて、水を被ったらしく、木工用ボンドで貼り合わせてあった部分が剥がれて、バラバラになってしまいました。

  その後、ビニール・テープで貼り合わせ直して、使っていますが、さすがに、その後の様子まで、撮影する気になりませんでした。 カバーを掛けた時には、落ちないものの、カバーを外す時には、やはり、落ちます。 そのつど、拾っている次第。 しかし、カバーを外す時に必ず落ちるお陰で、つけたまま、バイクで出かけてしまうという事はありません。




  今回は、ここまで。 時間的には、【デカール補修塗装】と、【荷台当たり止め】の間に、【チェーン交換】が入るのですが、【チェーン交換】は、組み写真2枚なので、2週に分かれてしまうのを避ける為に、順番を変えました。 【荷台当たり止め】は、どこに入れてもいいような内容なので。

  しかし、その後に控えている、【ステム・ベアリング交換】は、組み写真3枚で、更に、その後に、【補修完了後の外観】が、組み写真1枚あるので、【ステム・ベアリング交換】だけは、2週に別けざるを得ません。 何を言っているのか、分からないと思いますが、単なる編集上の言い訳です。

2019/11/03

EN125-2A補修 ②

  EN125-2Aの補修の記録です。 いちいち、「EN125-2A」と書くのは面倒なのですが、「EN」では、何の事か分かり難いし、漢名の「鋭爽」と書くと、ますます、バイクの事だとピンと来なくなるし、困ったもの。 ちなみに、バイク関連のブログを読むと、見慣れぬローマ字・数字の並びで呼ばれているものが、その人の乗っているバイクの事だと気づくまでに、結構、時間がかかります。




【Rブレーキ・リザーバー・タンク・ブラケット】

  9月25日の補修作業。

≪写真1≫
  リヤ・ブレーキが、ドラムからディスクに改造されていて、リザーバー・タンクが、リヤ・サス・ダンパーの上のボルトに、結束バンドで吊ってあったというのは、すでに書きましたが、それをどうにかする事にしました。

≪写真2≫
  これは、ホーム・センターで売っている、汎用の金具です。 ビキニ・カウルの前側下に付いていたのを、外したもの。 これを曲げて、黒く塗装し、リザーバー・タンクのブラケットにする予定。 塗装が関係してくると、時間がかかります。 他の作業も進めながら、一日かけて作りました。

  形を決めてから、長さが余った部分は、切り離し、切り口は、グラインダーで、丸めました。 メッキ面に布鑢をかけ、水性・艶消し黒を、筆で手塗りしました。 取り付けてしまったら、触るような所ではないので、塗料が剥げる事はないと思います。

≪写真3≫
  作ったブラケットだけ、取り付けたところ。 後輪泥除けを留めているボルトに共締めしました。 金具は、元がボコボコで、塗装の筆跡だらけですが、どうせ、陰になる場所なので、見えません。 これで、充分です。

≪写真4≫
  家にあった、ちいさなボルト・ナットで、リザーバー・タンクを留めました。 まあまあの出来。 本来、後輪にディスク・ブレーキが付く場合、リザーバー・タンクは、もっと前、エンジンの後ろ辺りに付くはず。 見る人が見れば、すぐに、「なんだ、こりゃ?」と笑うでしょうが、それも、致し方ない。 ホースを長いのに付け直したり、ホースを通す穴を作ったりするのは、大変な手間なので、これで良しとします。



【RBホース当たり止め / マフラー / ホーン / Sペダル / キー / ラベル】

  9月25日の補修作業の続き。

≪写真1左≫
  リヤのブレーキ・ホースが、サスペンションのスイング・アームとこすれるのを、螺旋ワイヤーを巻いて、ホースの損傷を避けているようなのですが、螺旋ワイヤーは、金属ですから、これでは、スイング・アームの塗装が剥がれてしまいます。 で、自転車の廃チューブを切って、黒いビニール・テープで、アームに貼り付け、干渉カバーにしました。 この写真では、暗くて見えませんけど。

≪写真1右≫
  マフラー取り付け部分の錆。 このバイク、2万キロ以上走っている中古にしては、錆びている部分が少ないのですが、それだからこそ、僅かな錆が目立ってしまいます。 ここの錆は、コンパウンドで磨いたら、だいぶ、取れました。 コンパウンドは、メッキ面にも有効です。 また錆びてくるから、556などで磨きこんでおくのが良いです。

≪写真2左≫
  マフラー・カバーの取り付けボルトの周辺が、錆びていました。 カバーを外したら、裏にも、そこそこの錆が。 コンパウンドをかけ、落としきれない所は、シルバーの塗料で塗りました。 マフラー本体の場合、耐熱塗料が必要ですが、カバーなら、まあいいだろうという事で、普通の塗料で。 その後、火が出るというような事は起こっていません。

≪写真2右≫
  マフラー・カバーの取り付けボルト周辺の錆ですが、原因は、裏側に挟んであった、鉄ワッシャーのようだったので、ホーム・センターで、ステンレスのボルト・ナット・セットを買って来て、その中からワッシャーを抜き、交換しました。 ワッシャーだけでも売っていますが、使う個数が少ないのなら、セットの方が安いです。 径6ミリ×長さ10ミリが、4本入りで、160円。

≪写真3≫
  シルバー塗装でごまかした妥協修理ですが、錆の色が見えなくなっただけで、見違えるような印象になりました。 人間の目は、光り物に吸い寄せられるので、塗装部分がある事に気づく人は、まず、いないでしょう。

≪写真4左≫
  エンジンの前にある、ホーン。 本体は、メッキです。 中心の丸い所だけ錆びていたので、シルバーで塗りました。 面積が小さいから、錆取りはしていません。 錆の上から塗るだけでも、塗料が酸素を遮断するので、防錆効果があります。

  ホーンは、デフォルトでは、黒のようなのですが、ヤフオクの中古部品では、メッキのも出回っていて、両方あったのか、GN125の部品が混じっているのか、判断できません。 どうせ、目立つ場所でもないので、メッキのままで行こうと思っています。 ちなみに、私は、山の中の警笛区間でもない限り、ホーンを使わない人間です。 鳴る事だけは、確認しました。

≪写真4中≫
  シフト・ペダルですが、届いた時には、皮製のカバーが付いていました。 巻いて、マジック・テープで留めるタイプです。 靴の甲側にキズが付くのを避ける為に、こういうグッズがあるのでしょうが、私は、バイク専用のスニーカーを買ったので、これは要りません。

≪写真4右≫
  カバーを外したら、こうなりました。 このペダル、一見、デフォルト部品に見えますが、実は、違います。 EN125-2Aのシフト・ペダルは、本来、シーソー・ペダルで、後ろ側にもペダルが出ていて、踵でシフト・アップができるようになっています。 前の持ち主が、それを外し、爪先操作オンリーのペダルに交換したんですな。

  わざわざ、元に戻すほど、シーソー・ペダルに拘りがないので、このまま、乗ります。 外したカバーは、洗って、保存してあります。

≪写真5左≫
  以下は、補修ではありませんが、出し忘れていたので、ここで、紹介します。 キーです。 ありがたい事に、デフォルトのキーが、2本共、付いていました。 ヤフオクの中古バイクでは、「キーは、社外品一本のみ」などというものが、ザラなのに。 一本は、普段、使い、もう一本は、免許入れに入れておきます。

  純正品なので、持ち手部分に、「SUZUKI」の刻印があります。 並行輸入バイクのキーは、ベースになるキーが、日本では普通に手に入らず、鍵屋さんに持って行っても、スペアが作れないとの事。 ベース・キーを特注するか、タオパオで買うしかないようです。

≪写真5右≫
  タンクの、コーション・ラベル。 真っ更ではないですが、文字がちゃんと読める程度のヤレ具合なのは、ありがたい。 剥がしてしまう人もいますが、私は、こういうラベルは、極力、残す方針です。

  上が英語、下はスペイン語。 欧米向けの仕様である事が分かります。 バイク自体が、英語圏とスペイン語圏でしか売っていないのか、この2ヵ国語のラベルだけで、欧米全域を賄っているのか、他の語圏向けは、他のラベルを貼っているのか、詳しい事は、分かりません。

  ちなみに、EN125-2Aに、日本向け仕様というのは、存在しません。 一部のバイク店が、並行輸入しているだけ。 スズキの正規店で売れば、相当、売れると思いますが、値段が安いので、国内生産の車種を食ってしまうのは、容易に想像できるところで、だから、正規輸入にならないのだと思います。



【各部補修塗装】

  9月27日に行なった、各部の補修。

≪写真1≫
  ライトのブラケットが、左右とも、ちょぼちょぼと錆びていました。

≪写真2≫
  外して、酸に浸けようと思っていたのですが、ウインカーが外れず、やむなく、周囲をマスキングして、シルバーのスプレーを吹きました。

≪写真3≫
  割と綺麗に塗れました。 たぶん、元々、シルバーで塗装してあったのだと思います。 錆を取らずに上から塗装しても、酸素が遮断されるので、防錆効果があります。

  ヘッド・ライトのヘキサゴン・ボルトが、ちょっと、錆色に見えるかもしれませんが、新品のボルトなので、錆びているはずはなく、ウインカー・レンズのオレンジ色が反射しているのだと思います。

≪写真4左≫
  ビフォー写真を撮り忘れたので、アフター写真だけですが、タンク右側の前端近くと、ヘッド・チューブの、車台番号の前辺りが、錆びていました。 浮いた錆を、こすり落とし、カラー・サビ黒を塗りました。 結果、写真の通り、どこを直したのか、ほとんど、分からなくなりました。 車体色が、黒で良かった。

≪写真4中≫
  何を撮ったのか、分からないと思いますが、リヤ・ブレーキ・ペダルの、リターン・スプリングです。 錆びていたので、艶消し黒で塗ってしまいました。 最初は、亜鉛メッキしてあったと思うのですが、シルバーで塗ると、目立ってしまいそうなので、黒にしておきました。 

≪写真4右≫
  サイド・スタンドの底面。 これは、アフター写真です。 錆びていたので、布鑢でこすり落とした上で、カラー・サビ黒を塗りました。 しかし、一度使ったら、地面とこすれて、あっさり、剥がれてしまいました。 サイド・スタンドは、毎度使うので、何度塗っても、無駄でしょう。

≪写真5≫
  センター・スタンドの底面。 これは、ビフォー写真です。 サイド・スタンドと同じように、錆を落とし、カラー・サビ黒を塗りました。 センター・スタンドは、整備の時にしか使わないので、塗っておけば、綺麗な状態を保てると思います。

≪写真6左≫
  左側は、工作用の水性エナメル塗料、黒。 もう、何十年も前に、ホーム・センターで買ったものです。 右側は、新たに、ダイソーで買って来た、工作用水性塗料の緑色です。 この二色を混ぜて、濃い緑色を作りました。

≪写真6中・右≫
  で、作った濃い緑色で塗ったのが、ミラー・レバー・ベースのボルトです。 色が剥がれていたのです。 しかし、元の色であるカーキ色には、だいぶ遠い色になってしまいました。 なぜ、こういう箇所のボルトに、カーキ色が使われているのかは、不詳。 模型用塗料なら、カーキ色がありますが、面倒なので、これで良しとします。




  今回は、ここまで。 補修した事だけ書いていますが、この間に、初乗りや、初ツーリングなどを行なっています。 初乗りは、9月21日でしたが、単に、バイクがまともに走るかどうかを確認するだけなので、近所の山の周りを一周する程度の、ごく短いものでした。

  乗っていきなり、曲がる時に、ハンドルの方向が定まらないという、今までのバイクでは経験した事がない症状にぶちあたりました。 ステム・ベアリングがへたっている点は、ヤフオク出品者の説明文に断ってあったのですが、何とかなると思っていたものの、結局、駄目で、その後、交換する事になります。 その記事は、数回、先になります。