2021/09/26

EN125-2Aでプチ・ツーリング (24)

  週に一度、「スズキ(大長江集団) EN125-2A・鋭爽」で出かけている、プチ・ツーリングの記録の、24回目です。 その月の最終週に、前月に行った所を出しています。 今回は、2021年8月分。





【函南・こだま石付近】

  2021年8月5日に、バイクで、函南の山の中にあるという、「こだま石」を目指して、出かけました。

≪写真1≫
  こんな道を、登って行きます。 昼尚暗い。 ところが、当てにしていた案内看板がなくて、「こだま石」を見つけられませんでした。

≪写真2≫
  森を抜けて、下って行ったら、熱函道路の上を跨いでしまいました。 明らかに、行き過ぎています。 しかし、ここの眺めは、結構、壮観でした。

≪写真3≫
  引き返したのですが、帰りにも見つけられず、あまつさえ、ロストして、どこだか分からない高台に出てしまいました。 しかし、ここも、眺めは良くて、爽快でした。 夏の黒富士と、愛鷹山が見えます。 やはり、プチ・ツーは、晴天に限る。

≪写真4≫
  高台に停めた、EN125-2A・鋭爽。 実は、この頃、走行中でも、ヘッド・ライトが、点いているのか、消えているのか、分からないほど、暗くなっていました。 てっきり、バルブが切れたのかと思っていたのですが、そうではありませんでした。 バッテリーが死にかけていたのです。 完全に死んでしまうのは、この次の週ですけど。

  後ろに、建物があります。 表札に、「こだま荘」とありましたが、別に、この付近の地名が、「こだま」というわけではないようなので、「こだま石」から付けた名前かもしれません。 帰ってから、「こだま荘」を、ネット地図で探してみましたが、出ていませんでした。

  この後、テキトーに下って行ったら、熱函道路に出たので、そのまま、帰りました。


  この日は、目的地に不着だったわけですが、気持ちのいい景色を見られたのは、幸いでした。 気分転換が、プチ・ツーリングの本当の目的ですから、別に、目的地に着かなくても、失敗というわけではありません。




【函南・こだま石】

  2021年8月5日に、行こうとして、見つけられなかった、函南の、「こだま石」ですが、地図をよくよく調べた上で、11日に、再度、探しに行きました。 今度は、見つかりました。

≪写真1≫
  ここですよ。 何も見当たらないでしょう? 案内看板一枚、立っていません。 これじゃあ、分かるはずがありません。 しかし、地図では、ここになっているで、草むらにバイクを乗り入れて停め、歩いて、山側へ近づきました。

≪写真2≫
  すると、斜面に、こんな大きな石がありました。 上半分、森の木に隠れているのです。 これは、分からんわ。

≪写真3左≫
  石の正面に、標柱あり。 「こだま石 函南町文化財」とあります。 間違いない。 こだま石の由来は、「その昔、母親と息子の二人で、山を越えて、行商していたのが、先に、母親が死んでしまい、息子が、この石の前で、母親を呼ぶと、こだまが返って来た」という、悲しいもの。 場所がまた、寂しい所でして、息子の悲しさが、よく分かります。

≪写真3右≫
  近くで咲いていた花。 どこへ行っても、何かしら、花は咲いているものですな。 この花、見覚えがあると思っていたんですが、調べたら、狐の剃刀(キツネノカミソリ)という植物で、以前、香貫山で見ていました。 ヒガンバナ科。

≪写真4左≫
  この草むら、ぬかるんでいまして、バイクを乗り入れたはいいが、出る時に、転回したら、後輪が、泥だらけになってしまいました。 帰ってから、洗いましたけど。

≪写真4右≫
  ぬかるんで、サイド・スタンドが沈んでしまうので、近くに捨てられていた、500ccのペット・ボトルを、下敷きにしました。 この程度でも、あるとないとでは、全然違います。


  この後、家の近くまで行って、一度、エンジンを切ったのですが、かけようとしたら、セルが回らず、家まで押して帰りました。 バッテリーが寿命と見て、アマゾンで買い、載せ換えました。 バッテリー交換の経緯に関しては、近い内に、≪EN125-2A補修≫シリーズで紹介します。




【函南スプリングス】

  2021年8月21日に、バイクで、「函南スプリングス」というゴルフ場に行って来ました。 ゴルフをやりに行ったのではなく、周囲の道路を、4分の3周くらい、回って来ただけです。

  本来の目的地は、ゴルフ場北西の堰堤だったので、とても、文章では説明できないような、複雑な隘路を通って行きました。 結局、堰堤は見つけられませんでした。 地図だと、道路沿いなのですが、現地は、森になっていて、道路からでは見えないようでした。

  最初から、ゴルフ場を目指すのなら、函南駅の東側のガードを潜り、最初の交差点を右折すれば、広い一本道で行けます。 急坂ですけど。

≪写真1≫
  クラブ・ハウスの前の道。 正面からだと、何か言われたら困ると思い、少し通り過ぎてから、撮りました。 行っておいて、ナンですが、私は、ゴルフ場にも、ゴルフにも、全く興味はありません。

≪写真2≫
  ゴルフ場越しの、西の方の景色。 道路から撮っています。 右の山裾は、愛鷹山。 左の方に、沼津アルプスの、香貫山と、横山の一部が見えます。 その向こうは、駿河湾。 贅沢な景色だ。

≪写真3≫
  ゴルフ場から、少し行き過ぎた場所で、同じく、西の方を見た景色。 沼津アルプスが、鷲頭山まで、見えます。

  ちょっと分かり難いですが、左の方に、住宅があります。 凄い所に住んでいますねえ。 毎日、絶景か。 よく、こんな所に、土地が買えたものです。 山林地主さんなんでしょうか。

≪写真4左≫
  ゴルフ場の北東で、道路に広い所があったので、バイクを停め、ヘッド・ライトの点き具合を確認しました。 ちなみに、この時は、すでに、バッテリーを、新品に交換した後です。 これで、点いているんですが、30センチも離れると、全く分かりませんな。 黄色っぽいのは、LEDバルブの色で、光ではありません。

≪写真4右≫
  アップ。 点いているように見えないでしょう? 実際には、弱々しい光が点いているのですが、見て分からないのでは、点いていないのと同じです。 これで、整備不良で、警官に捕まって、「点いています」と主張しても、通りますまい。

  つまり、LEDバルブが、イカれたという事ですな。 LEDは、寿命が長いと言われていますが、必ずしも、そんな事はないと思います。 LEDそのものか、回路の方か分かりませんが、割とよく、切れます。




【三島山田川・鬼石】

  2021年8月28日に、バイクで、三島の山田川沿いにある、「鬼石」へ行って来ました。 「三島七石」の一つです。

≪写真1左≫
  山田川に沿って登っていくと、道路の川側に、小さな標識が立っていました。 前にも、ここを一往復しているのですが、こういうものがあったとは、とんと、気づきませんでした。 今回は、下調べをして来たから、見つけられた次第。

  実は、この写真に、すでに、鬼石の上の部分が写っているのですが、シルエットになってしまって、分かりませんな。

≪写真1右≫
  バイクは、少し下流側に、道路が広くなった場所があったので、そこに停めました。 ヘッド・ライト・バルブは、「H4 12V 35/35W」のハロゲン球に交換してあります。 交換の経緯に関しては、近い内に、≪EN125-2A補修≫シリーズで紹介します。 金・オレンジ色をしていた、LEDバルブと違って、ハロゲン球は、灰色と透明なので、消えている時に、目立たなくなったのは、私好みです。

  実は、この三日前に、エンジンをかけずに、ヘッド・ライトの点灯試験をしていたら、真新しいバッテリーを上げてしまい、チャージャーの、セル・スタート機能で、何とか、エンジンをかけ、復帰させました。 この日は、チャージャーに頼らなくても、自力でエンジンが、かかりました。 20キロくらい走ったから、充分に、充電されたと思います。

≪写真2左≫
  ガード・レールの川側は、こんな風になっています。 道らしい道はないです。 鬼石の上までは行けますが、そこから、写真を撮っても、何がなんだか分かりません。

≪写真2右≫
  これは、下側から撮った写真ですが、こんな崖を下りて、川岸に立たなければなりません。 岸と言っても、少し、立つ場所があるだけです。 道はもちろん、踏み跡も、はっきりしないのは、厳しい。

≪写真3≫
  川岸から見た、鬼石。 大きな石です。 特段、鬼には見えませんが、「程度が甚だしい」という意味での、「鬼」ならば、確かに、「甚だしく、大きな石」とは言えます。 だけど、この上流の、「山田川・自然の里」へ行けば、同じくらい大きな石が、ゴロゴロしています。 なぜ、この石だけ、三島七石に入って、名前が付けられたのか、解せません。

≪写真4≫
  バイクを停めた位置から、少し下流に歩き、西の方を見た景色。 左側は、山田川。 高架道路は、伊豆縦貫道です。 逆光なので、いい青空ではありませんが、雲ひとつなくて、気持ちのいい日でした。




  今回は、ここまで。

  組み写真、4枚で、終わってしまいましたな。 8月は、不着で、同じ所へ行き直したのと、神社を避けた事もあり、撮って来た写真の枚数が、少なかったのです。 別に、神社訪問が、プチ・ツーの目的ではないのであって、要は、「ここまで行く」という目的地があれば、どこでもいいのです。 バイクに乗って、気分転換するのが、真の目的なのですから。

2021/09/19

読書感想文・蔵出し (76)

  読書感想文です。 溜まっています。 どんどん出して、現在に追いつきたいところですが、もう、次回は月末になってしまうから、プチ・ツー紀行を出さねばならず、読書感想文は、今回だけで、次は、来月に回さざるを得ません。 なんだか、一人で足掻いている感あり。 





≪松本清張全集 50 火の路≫

松本清張全集 50
文藝春秋 1983年3月25日/初版 2008年10月25日/4版
松本清張 著

  沼津市立図書館にあった本。 ハード・カバー全集の一冊。  二段組みで、長編1作を収録。


【火の路】 約392ページ
  1973年(昭和48年)6月16日から、1974年10月13日まで、「朝日新聞朝刊」に連載されたもの。 連載時の題は、【火の回路】。


  飛鳥地方を旅していた歴史学者の女性が、通り魔に襲われた男性を、たまたま助け、輸血までしてやる。 その男性は、かつて、優秀な歴史学者だったが、今は学問を捨て、保険の外交員をやって口を糊していた。 彼女は、明日香の石像文化が、ペルシャ由来ではないかという学説を、専門誌に載せ、それを読んだ元学者の薦めで、イランへ、見学を兼ねた旅行へ出かける。 一方、元学者の周囲で、変死する者が出て来て・・・、という話。

  作者本人が、そう書いていますが、これは、小説の体裁を取った、論文です。 明日香の石像文化が、渡来ペルシャ人の影響によるものであろうという説を、世に問う為に書かれたもの。 後半、ちょぼちょぼと、犯罪が絡んで来ますが、推理小説では全くなく、犯罪小説としても、全く評価できません。 作者本人が、「論文だ」と言明しているのだから、批判のしようがないわけですが。

  日本の古代史と、イラン・ペルシャの古代史に興味がある人なら、大喜びの、大興奮で食いつくと思いますが、そうでない読者にとっては、残念ながら、小説として楽しむ事はできません。 たぶん、読んだ端から、頭の上へ蒸発して、消えて行くという結果になると思います。 松本さんは、このカテゴリーに関しては、学者級の知識・情報・アイデアをもっていたようで、専門的過ぎて、門外漢を寄せ付けないんですわ。

  とはいえ、専門でなくても、おおまかに、歴史が好きな人なら、たっぷり時間をとって、じっくり腰を押し付けて読んでいけば、もしかしたら、嵌るかも知れません。 実録物や、企業物とは違って、歴史物は、読めば、勉強になるところはありますし。 それにしても、硬い・・・。

  これを連載した朝日新聞も、酔狂ですなあ。 うちも朝日なので、連載時、家の中に、その新聞があったわけですが、1973・74年というと、私はまだ、9・10歳でして、新聞小説は、読んでいませんでしたねえ。 どうせ、この硬さでは、一回分読むのも、無理だったでしょう。




≪花の棺・百人一首殺人事件≫

山村美紗長編推理選集 第三巻
講談社 1989年11月20日/初版
山村美紗 著

  沼津市立図書館にあった本。 二段組みで、長編2作を収録。 キャサリン・シリーズの第一作と第二作です。 【百人一首殺人事件】は、家にある本で、以前に読んでいて、感想も出していますが、同じ物を出しておきます。


【花の棺】 約208ページ
  1975年(昭和50年)9月に、書き下ろしとして、カッパ・ノベルスで発行されたもの。

  アメリカ副大統領の来日に同行した、娘のキャサリン・ターナー。 生け花に興味を持ち、日本での勉強先を探していた事から、華道の三流派による、引っ張り合いとなる。 一方、京都の堀川通りで、二条から順に、三条、四条と、放火や殺人事件が起こり、華道界の人間が標的になっていく。 シャーロッキアンのキャサリンが、巻き込まれついでに、事件の捜査に関わり、若い外国人女性特有の感性で、謎を解いて行く話。

  キャサリン・シリーズの第一作です。 書かれたのが、1975年とは思えないほど、新しい感じがします。 携帯電話やインターネットが出て来ない事を考慮に入れても、1990年代中頃に書かれたと言っても、何の問題なく、通用すると思います。 新しさを感じさせる要因としては、金髪碧眼の外国人美女という、キャサリンの存在感が圧倒的ですが、事件が本格トリック物で、時代を選ばないという点も、寄与しています。

  トリックは大きく分けて、二つ。 死体移動に使ったキャンピング・カーのものと、茶室での殺人の、二重密室。 キャンピング・カーの方は、パズル的なもので、説明されても、「ああ、なるほど」くらいの感想しか出ませんが、二重密室の方の、茶室からの脱出方法は、独創的アイデアで、大変、面白いです。 75年の時点で、糊が必要ない、アレが、すでに普及していたんですな。 糊を使っていたら、ニオイでバレてしまいますけど。

  ドラマ化されたもので、≪狩矢父娘シリーズ 【花の棺】≫では、なぜか、この茶室トリックを、別のものに変更してしまっていましたが、作品最大の見せ場を外してしまうというのは、気が知れない。 このトリックでなければ、【花の棺】というタイトルをつける意味がないほど、重要な点なのに。

  ちょっと、意外だったのは、堀川通りの、二条から八条まで、定期的に事件が起こっていく展開でして、むしろ、全体の筋運びとしては、そちらの方が、主軸になっています。 これは、ドラマでは、印象がありません。 おそらく、ドラマ化する時には、最初から外してしまっているんでしょう。 原作は、この展開のお陰で、落ち着かないほどに、場面転換がめまぐるしくなっています。

  二条から八条(正確には、九条までですが、九条は、事件が起こる場所ではないです)の事件は、ある謎と関係があるのですが、トリックは使われていません。 山村さん特有の、判じ物・言葉遊びの世界でして、その点は、少し、パズル的過ぎて、リアリティーを欠きます。 本格トリック物の推理作家が陥り易い問題点ですな。 もっとも、そういうのが好きという読者もいるでしょうけど。 「ポーの代表作は?」と訊かれた時、【モルグ街の殺人】ではなく、【黄金虫】を挙げる人達など。


【百人一首殺人事件】 約234ページ
  1978年(昭和53年)12月に、書き下ろしとして、カッパ・ノベルスで発行されたもの。

  大晦日、おけら詣りで賑わう京都八坂神社で、若い女が、破魔矢で刺し殺される事件が起こり、たまたま、現場に来ていたキャサリンと浜口が、捜査に首を突っ込む事になる。 キャサリンが、偶然、撮った写真と、被害者が持っていた百人一首の字札から、ある百人一首研究者の名前が上がるが、その人物も、自宅の二重密室で殺されてしまい、やはり、百人一首の字札が残される。 キャサリンと狩矢警部が、協力しつつ、事件の謎を解いて行く話。

  キャサリン・シリーズの第二作。 そのせいか、情景描写が細かくて、勝負作品として書かれた事が分かります。 特に、冒頭の、八坂神社の、おけら詣りの場面は、超一級で、推理小説には似つかわしくないほど、活き活きしています。 続く、二重密室の場面も、いい雰囲気で、ゾクゾクします。 ところが、百人一首の大会まで進むと、マニアック過ぎて、白け始め、続いて、突然、大津の病院が出てくると、どっと白けて、あとはただ、ダラダラと筋を追うだけの読書になってしまいます。 惜しいなあ。

  トリックは、二重密室や、電話のダイヤル方法など、幾つか使われています。 いずれも、本格トリックですが、説明されると、「なーんだ」と言ってしまいそうなもので、たぶん、現代の読者なら、子供騙しっぽく、感じてしまうでしょう。 しかし、機械仕掛けトリックは、複雑過ぎて分かり難いのは、最悪なので、私としては、こういう、すっきりしたものの方が、ありがたいです。

  百人一首の世界と、問題病院の世界が、水と油で、そこが、致命的な欠点になっています。 百人一首の世界一本で通せば、ずっと良い作品になったと思うのですがねえ。 犯人の動機が、問題病院による被害と、血縁者が恋人に裏切られた事への復讐なのですが、二つの動機が、たまたま、重なったというのは、不自然でして、そこも、リアリティーを欠いています。

  キャサリンには、いくつも見せ場が用意されていますが、狩矢警部の露出も多くて、ダブル探偵物になっています。 普通、探偵役を二人出すと、どちらかに、間違い推理をさせなければならないから、いい話にならないんですが、この作品は、充分に長いおかげで、どちらにも花を持たせる事に成功しています。

  誉めたいんだか、貶したいんだか、自分でも分からなくなってしまいましたが、人様から、「読む価値があるか?」と訊かれたら、「ある」と答えたい作品です。




≪松本清張全集 57 迷走地図≫

松本清張全集 57
文藝春秋 1995年6月30日/初版
松本清張 著

  沼津市立図書館にあった本。 ハード・カバー全集の一冊。  二段組みで、長編1作を収録。


【迷走地図】 約429ページ
  1982年(昭和57年)2月8日から、1983年5月5日まで、「朝日新聞」に連載されたもの。


  国会議員の秘書達と、国会議員のスピーチ原稿や著書を代作するライターの生態を通して、永田町の裏舞台を描き出して行く話。

  随分、簡単な梗概になってしまいましたな。 何せ、群像劇なので、これといった中心人物がおらず、ストーリーも、メインの筋というものがありません。 強いて、一本、拾い出すとしたら、

  大学の先輩に当たる国会議員秘書が、辞職後、外国で事故死する。 渡航する前に、ある書類を託された後輩のライターが、速記文字で書かれたそれを解読したところ、次期首相と目されている人物を失脚させるに充分な事が書かれていると分かる。 あまりの重大さに、書類の処分方法に困り・・・、という話。

  一番、ストーリーらしいストーリーになっている部分です。 他は、議員秘書達の日常や習慣が、書かれているだけ。 永田町の世界に興味がある人には、面白いかも知れませんが、そうでない人の目には、ただただ、汚らしく腐敗しているだけの特殊な世界としか映りません。

  水商売の女にプレゼントするバッグが、70万円とか、100万円とか・・・、うーむ、心底、下らない。 どんなに大金が動いていようが、そんな世界を羨ましいとは思えませんし、そんな世界の中でしか暮らせない人間は、憐れで、惨めとしか思えません。 現役でさえ、そんな有様ですから、老衰して、引退したとか、しくじりをやらかして、弾き出されてしまった者は、もはや、ゴミ以下ですな。

  この作品、1983年に、映画化されていまして、私は、テレビ放送された時に見ました。 松坂慶子さんが、運んでいた政治献金を強奪される場面とか、津川雅彦さんの二世議員、加藤武さんの老練な秘書など、記憶に残っている場面は、かなり多いです。 それだけ、面白く見たという証拠でしょう。 まだ、若い頃だったから、いろんな事に興味があったわけだ。 今見ても、ピンと来ないと思いますけど。

  映画では、次期首相候補議員の秘書である渡瀬恒彦さんと、議員の妻である、岩下志麻さんが中心になっていましたが、原作では、そういう事はないです。 どちらも、間接的に描かれるだけ。 次期首相候補議員役は、勝新太郎さんで、映画では、見せ場がありますが、原作では、名前でしか出て来ません。

  群像劇で、主人公がいないとはいえ、小説としては、しっかりしたものなので、読めば、面白いと感じる読者が多いはず。 そうでなければ、連載直後に、映画化される事はないです。 だけど、日本の映画界では、政治物はヒットしないと決まっていまして、この作品の映画も、同様だったと思います。 83年で、松竹では、尚更。 その頃は、角川映画以外の邦画は、骨董品視され、敬遠されていましたから。




≪姿なき怪人≫

角川文庫
角川書店 1984年10月25日/初版
横溝正史 著

  2020年12月に、アマゾンに出ていたのを、本体200円、送料350円、合計550円で買ったもの。 高いですが、この本、数が少ないのか、大抵は千円以上でして、550円は、異例の安さだったのです。 初版で、状態は、経年並みでした。 横溝作品の角川文庫・旧版の中では、94番目で、少年向けの長編1、短編1、計2作と、巻末に、横溝さんの奥さんと、息子さんに思い出話を伺った、座談会記録が付いています。


【姿なき怪人】 約228ページ
  1959年(昭和34年)4月から、1960年4月まで、「中一コース」に連載されたもの。

  高名な法医学者、板垣博士が、友人の娘に言い寄っている札付きの男を叱りつけ、破談に追い込んだ。 それを恨みに思った男が、「姿なき怪人」と名乗り、相手の娘を殺し、更に、博士の関係者を、不思議なトリックを用いた方法で、殺したり、誘拐したりしていく。 新日報社の探偵小僧、御子柴進と、三津木俊助、警視庁の等々力警部らが、姿なき怪人に翻弄される話。

  対象読者が、中学生なので、それほど、子供騙しっぽくはないですが、やはり、月並みなモチーフに頼っている部分はあります。 部屋一つが、丸ごと、エレベーターになっていて、全く同じ造り、同じ調度の部屋が二つあるというのは、江戸川さんの少年探偵団物でも出て来ました。 この種の古典的モチーフは、誰が使っても問題にならなかったようです。

  少年向けなので、御子柴進が、探偵役の中心で、三津木俊助は、影が薄いです。 等々力警部は、更に影が薄く、一応、警察代表で顔を出しているだけ。 殺人も起きているわけで、当然、絡んで来てもよさそうなものですが、名探偵、由利麟太郎は出て来ません。 御子柴進に活躍させる為でしょう。

  前半は、結構、ゾクゾクしますが、月並みモチーフが出始めると、ようよう、白け始め、終盤、「犯人は、こやつしかいないだろう」と分かり始めた頃、突然、犯人指名があり、切って落とすように、終わってしまいます。 謎解きは、一応、なされていますが、少し、説明が短すぎて、唐突な終わり方という感じが強いです。 特に、犯人の動機について、もう少し、説明が欲しいところ。

  御子柴進は、18歳という設定で、もう、小僧という年齢ではありませんな。 戦前から活躍しているキャラだから、いつまでも、子供のままにはさせておけなかったんでしょうか。


【あかずの間】 約16ページ
  1957年(昭和32年)7月に、「なかよし」に掲載されたもの。

  家が貧しいせいで、大きな家に貰われて行った小学生の少女。 家の主人は、たまにしか来ず、人使いの荒い使用人夫婦と三人で暮らしていた。 ある時、土蔵の二階に、誰かがいる事に気づくが・・・、という話。

  話というほどの話ではないです。 捻りが、あまりにも弱い。 実話に、よくあるタイプで、結末の意外性がないから、聞かされても、

「ふーん。 それで?」
「いや、それだけの話だけど・・・」

  で、会話が終わってしまうパターンですな。 新人が書いたら、即刻、没で、屑箱行きだと思いますが、横溝さんは名前が売れていたから、これで、通ったのでしょう。

  設定は悪くないから、後半を加筆して、少女が機転を利かせて、閉じ込められていた娘を脱出させる話にすれば、面白くなったと思います。 そんな、ページ数はないか。 16ページばっかで、探偵小説家に注文を出す、編集者が悪い。


【座談会・横溝正史の思い出を語る(一)】 約19ページ
  おそらく、この文庫本の為に、企画されたもの。 横溝さんの、奥さんと、息子さん、それに、山村正夫さんの三者で、横溝正史さんの思い出を語り合った内容。 ちなみに、(二)は、≪風船魔人・黄金魔人≫の巻末に収録されています。

  横溝さんが、30歳くらい、結核の転地療養で、上諏訪に住んでいた頃の出来事が対象です。 当時、まだ幼児から小学生くらいだった息子さんが記憶している事で、「それは、違う土地での話」と、横溝夫人が訂正する場面が、大変、多いです。 子供の頃の記憶というのは、場面そのものについては、正確度が高いものの、時間や場所、相手などが曖昧になっていて、思い違いをしているケースがあるんですな。

  当時、結核患者は、少なくなかったと思うのですが、それでも、家を借りる時に、嫌がられる事が多かったそうで、些か、意外。 ちなみに、当時に生きていた人達は、会話などにより、ほとんどの人が、結核菌を体内に入れており、患者と、そうでない人間の区別は、発症しているかどうかの違いに過ぎなかったのですが、そういう医学知識は、一般社会では、常識になっていなかったようですな。 まあ、今でも、そうですけど。

  横溝さん本人の情報は、割と少ないです。 とにかく、家族に対しては、怒りっぽい人だったとの事。 父親が仕事をしていないのを見ていた、幼い息子さんが、「友達のお父さんに頼んで、働き口を世話してもらおうか」と提案したというエピソードが、微笑ましいです。 微笑んでいられないような家計だったのも事実のようですが。




  以上、四冊です。 読んだ期間は、今年、つまり、2021年の、

≪松本清張全集 50 火の路≫が、2月4日から、8日。
≪花の棺・百人一首殺人事件≫が、2月13日から、14日まで。
≪松本清張全集 57 迷走地図≫が、2月15日から、18日まで。
≪姿なき怪人≫が、2月20日から、22日まで。

  突然、山村美紗さんの本が入りますが、たまたま、2サスの、≪狩矢父娘シリーズ≫で、サブ・タイトルが、【花の棺】になっている回を見て、「あれ? こんなトリックだったかな?」と疑問が湧き、図書館に選集があったのを幸い、読んでみた次第。 山村さんの作品は、どれを読んでも、いかにも、本格トリック物という感じで、好ましいです。

2021/09/12

新型肺炎あれこれ ⑮

  新型肺炎について、日記ブログに書いた文章を、移植したシリーズ。 前回の続きです。




【2021/08/08 日】
  ようやく、五輪が終わったか。 結局、開閉会式を含め、全く見ませんでした。 ニュースに入ってしまう分は、耳で聞きましたが、この感染急拡大時に、金だ銀だと大騒ぎしている様子が、グロテスクで、吐き気を催す有様でした。

  五輪は、内幕が分かってしまったので、今後も見る気はないです。 まったく、人類なんて、とことん、ろくなものではないと思い知る、今日この頃です。

  百歩譲って、人類の文明や文化に、素晴らしいものがあったとしても、それは、過去の事でして、現在はもちろん、今後も、かつての輝きを取り戻す事はないでしょう。 私は、未来予測には、実績がありまして、この予測も、外れるとは思っていません。

  人類の文明・文化が陰り始めた時期と、人工知能が実用化し始めた時期が重なるのは、興味深い。 すでに、人間の能力を、一部で、AIが超えているのは、間違いないところです。 あれよあれよという間に、あらゆる分野で、AIの利用が進んで、人間は、手も足も出なくなってしまうでしょう。 これは、もはや、SFではなく、現実です。



【2021/08/12 木】
  父方の叔父さんに、電話。 「お盆に来るのは、今年も見送ってくれ」というお願いです。 割と物分かりのいい人なので、すんなり、承諾してくれました。 ちなみに、叔父さん夫婦は、ワクチンを2回接種済みで、その件について訊いたところ、「注射は痛くはなかったが、二日間、腕が上に上がらなかった」との事。

  「うちは、怖くて、打てないでいる」と、言っておきました。 それは、嘘ではないのですが、私が恐れているのは、注射の痛みや、短期のアレルギーではなく、長期の副反応の方です。 しかし、叔父さんを不安にしても益がないので、そちらは、口にしませんでした。


  それはさておき・・・。 増えたな、認定感染者数。 今週中に、全国で、2万人超えも、ありうるか。 「第3波の時には、年末の帰省で、検査を受ける人が増えた結果、陽性者も増えた。 今回は、お盆の帰省前だから、同じ事が起きている」という見方もあります。 しかし、東京に限って言えば、5000人前後で止まっており、増えているのは、専ら、地方です。 となると、帰省前だから云々は、当たっていないのかも知れません。

  東京が頭打ちを起こしたのは、検査数が、検査能力の上限に迫ってしまったからでしょう。 馬鹿でも分かる理屈だと思いますが、検査数以上の陽性者は、絶対に出ません。 一方、地方は、まだ、検査数に余裕があるので、感染拡大の実態が、分かり易く出ているのだと思います。 いずれ、そちらも、頭打ちを起こすと思いますが。



【2021/08/13 金】
  盆棚に、位牌を移し、お供え物をあげました。 誰も来ないのですが、これは、必ず、やります。 やらないと、実家に住んでいる資格がなくなってしまうので。

  今年も、坊さんを始め、誰も来ない予定ですが、私が、幾分、被害妄想的に警戒しているのは、前触れなしに、突然、訪ねて来る人間です。 従兄弟・従姉妹の中で、新型肺炎で食い詰めた奴が出ていたら、かなり、危ない。 「お盆だから」という口実で訪ねて来て、「失業したから、しばらく、おいてくれないか」と言い出す奴がいないとも限らない。

  うちの場合、うちから出た人が何人かいる、いわゆる、「本家」なのですが、そういう例が、過去にあるのです。 配偶者の仕事がうまく行かなくなり、「行く所がなくなった」と言って、一ヵ月・二ヵ月、居座った人がいました。 さすがに、この時節に、そんな事はしないだろうと思う一方、こんな時節だからこそ、食い詰めて、藁にも縋る思いで、頼って来る奴がいないとも限らない。

  もちろん、前触れなしに訪ねて来る者がいた場合、インター・ホンで応対して、帰ってもらうつもりでいます。 「お線香だけでも」と、食い下がられたら、「申し訳ないけど、お墓参りだけして、帰ってください」と言うしかないです。 「来てしまったのに、追い返すわけにも行かない」などと言って、家に入れたが最後、私も母も、死ぬ危険性があるのです。



【2021/08/15 日】
  今日の静岡県の認定感染者数は、394人。 日曜なのに、過去最多。 まずいなあ。 このままでは、緊急事態宣言が出てしまいます。 もっとも、私はすでに、自分で考えられる、最高レベルの感染防御をしているので、宣言が出たところで、特に、生活を変えるつもりはないのですが。

  私は、相当には、新型肺炎を恐れている方ですが、そんな人間でも、「不要不急の外出自粛要請」に従う気が、もはや、ありません。 政府や自治体に、新型肺炎を押さえ込む能力がないのは明白で、彼らの指示を忠実に守っても、収束に向かわないのが、はっきりしているからです。 どうしていいか分からないんでしょう。 成功しているところの、模倣すらできないのだから、能力や知恵がないだけでなく、根性まで捻じ曲がっているわけだ。

  ちなみに、私が続けるつもりでいる、「不要不急の外出」は、バイクでのプチ・ツーリングと、折自でのポタリングですが、どうせ、人がいる所には行かないから、感染拡大に繋がる事はありません。 別に、皮肉ではありませんが、某閣僚によると、「不要不急かどうかは、本人が判断すべき」事らしいので、大変、好都合。 私の判断で決めさせてもらいます。 某閣僚、よくぞ、その一言を言ってくれた。 心から、感謝します。

  ありえない話ですが、もし、「全員検査で、感染者をゼロにするつもりだから、その準備が整い、実行できるまで、不要不休の外出は控えてくれ」と言うのなら、素直に従います。 収束させられるほどの効果があるとは思えない、「人流抑制」と、「ワクチン接種」しか打つ手がないのに、あれこれ、指図するのは、おこがましいというもの。

  それにしても、デパ地下を閉めて、収束すると、本気で思っているのかね? もう、一年半も闘っているのに、新型肺炎が、そんなに簡単な相手だと思っているとしたら、その感覚が不思議です。



【2021/08/17 火】
  午前10時頃、二階の自室にいると、突然、玄関の錠を開ける音がしました。 兄が来て、自分の鍵で玄関を開け、お盆の供物が入った袋を置いたようでした。 インター・ホンで、母と話をしていたのですが、母が、「上がるか?」などと、とんでもない事を訊いています。 何も分かっていないのです。

  兄が断って、帰ろうとするのを、母が、わざわざ、「ちょっと待って」と呼び止めて、紙袋に袋菓子を入れようとしている様子なので、私が階下に下りて行って、慌てて、止めました。 何も分かっていないのです。 母は、無マスクでしたが、一体、どうやって、受け渡しをするつもりだったのか。 私が行かなければ、無マスクのまま、平気で、兄に手渡ししたに違いありません。 兄はマスクをしていましたが、一方がしていればいいというものではないです。 もし、母が無症状感染者だった場合、兄にうつしてしまう恐れがありますから。

  私が母に、「菓子をやる為に、命と引き換えにするのか!」と、強く言って、やめさせ、結局、兄は、そのまま帰って行きました。

  母は、テレビで、新型肺炎の報道を見ていると、結構、他人がいい加減である事を批判するのですが、自分自身にしてからが、感染防御上、何がまずくて、何が良いか、判断できないのです。 母にとって、兄夫婦は、別の家で暮らしていても、家族の内で、「家族を家に入れないのは、おかしい」という考え方をするのです。 それなら、そもそも、兄が玄関先で帰ろうとはしないわ。 なんで、こんな事をしているのか、母は、根本的に分かっていないのです。

  兄も兄で、いくら、鍵を持っているとはいえ、前触れなく、自分が住んでいない家の玄関を開けるのは、異常です。 なぜ、呼び鈴を鳴らさぬ? 大方、自分が、実家の4分の3(土地全部と、家屋の半分)の所有者である事を実感したくて、そういう事をするのだと思いますが、そーんなに権利を主張したいのなら、実家に住めばいいんだわ。 私が出て行くから。 親の面倒は押し付けているくせに、権利だけは主張するのだから、下司にも程がある。



【2021/08/18 水】
  8月最後に残った仕事は、お中元最後の一件の受け取りです。 桃が送られて来るのですが、収穫の関係で、他と時期がズレるのです。 お盆には間に合わず、過去の記録を見ると、18日から、25日の間に来ています。 今日からなので、覚悟していたのですが、今日は来ませんでした。 過去の例では、平日ではなく、土日に来ていますが、曜日が関係あるかどうかは、分かりません。


  静岡県の認定感染者、590人。 うーむ、静岡県も、都会並みになったものだな。 これは、もはや、感染爆発ですな。 実際の感染者は、100倍とまでは言いませんが、50倍くらいいても、おかしくないので、大体、3万人くらいになりますか。 静岡県の人口は、360万人だから、120人に1人くらい。 これはもう、どこで、感染者と出会って、うつされても、不思議ではないです。

  やはり、オリンピックの悪影響は大きかったと思いますが、これでまだ、パラリンピックをやるというのだから、グロテスク極まりない。 いや、反対しませんよ。 好きにして下さい。 どうせ、反対したって、やめる気はないんでしょ? そういや、24時間テレビもやるようですな。 いや~、凄い社会だな。 何が起こっているのか、まるで分かっていないのだろうな。 とにかく、お祭り騒ぎが、全て終わるまでは、減り始めないでしょう。

  一つ、私にとって、朗報が。 静岡県の緊急事態宣言の要請内容によると、「不要不急の外出自粛要請」は、午後8時以降だとの事。 それなら、昼間は、好きにしていいわけだ。 私は、日が暮れたら、外出しないので、生活に影響なしです。



【2021/08/21 土】
  それはさておき、医療関係者の面々よ。 この地獄から逃れたかったら、「全員検査」を政府に具申なさいよ。 今更ながら、とは思いますが、もはや、他に手はないです。 大方、「ワクチンの普及で、徐々に収まって行くはず」という期待をしているんでしょうが、ワクチン先行国の様子を見ていると、どうも、そう単純ではなさそうですぜ。 3回目の次は、4回目、5回目・・・、どこで収まるやら。

  その点、「全員検査」は、確実です。 やるたびに、ゼロにできるのは、どれだけ、魅力的な事か。 PCR検査、1人4回を、一週間以内にやるわけですが、一旦、体制を作ってしまえば、そんなに難しい事ではないです。 最初の一回だけ、全国でやって、次からは、発生した地域に限定してやれば、効率的です。

  医療関係者が、現場の声で突き上げれば、専門家が動くから、政府も、やらざるを得ないところへ追い込まれるでしょう。 あなた方が言い出す以外、「全員検査」を実現する方法はないのです。

「全員検査なんてやったら、感染者がドカッと出て、ますます、地獄になってしまう」

  そりゃそうだ。 だけど、地獄の一丁目も二丁目も、地獄である事に変わりはありません。 地獄の一丁目が、ずっと続くより、三丁目を半年くらい耐えて、その後は、極楽に上げてもらう方が、いいとは思いませんか? たとえば、去年の初頭、武漢に入った医療関係者は、4月くらいまで、地獄暮らしをして、その後、極楽に上がって、フツーの生活に戻っているわけですが、その方がいいとは思いませんか?

  もし、ワクチンで収まらなかったら、地獄が、何年続くか、分かりませんよ。 全く、保証の限りではないです。 繰り返しますが、医療関係者のあなた方が言い出さなければ、他の誰も言い出してくれません。 ジャーナリストや一部の政治家が言っても、空論として、無視されるだけです。



【2021/08/22 日】
  資源ゴミを出す日ですが、紙類は縛って、プレハブ離屋へ。 ペット・ボトルは、袋に入れて、物置へ。 今月は出しません。 理由は、組に回ってきた、ゴミの整理当番をサボる為です。 出しておいて、サボったのでは、余計に睨まれるから、せめて、出さない事にし、来月に出すつもり。

  大した仕事でもないのに、なぜ、サボるのか? 言うに及ばず、集まる面々に、マスクをして来ない者が多数を占めると思われるからです。 無マスクで、ベラベラ喋り捲るに決まっています。 ゴミ当番くらいで、うつされて、たまるもんですか。 感染して、死んだり、重篤な後遺症に苦しむくらいなら、後ろ指を差された方が、千倍、マシです。




  今回は、ここまで。

  新型肺炎について、日記ブログに、書く時は、続けて書き、書かなくなると、続けて書かなくなる傾向があります。 他の事で謀殺されていると、書きませんねえ。 おっと、謀殺ではなく、忙殺でした。 謀殺されて、どうする? というか、謀殺されたら、日記ブログなんか、書けんわな。

  ちなみに、日記には、もちろん、他の事も書いていますが、それらは、こちらへ移植するにあって、消しています。 「お中元の桃が届く」という段落が残っていますが、それは、強ち、新型肺炎と無関係ではないです。 受け取りの際に、感染する恐れがあるので、正直言って、届け物など、来ない方がよい。 新型肺炎がなければ、届け物を怖がったりしませんが。

2021/09/05

新型肺炎あれこれ ⑭

  新型肺炎について、日記ブログに書いた文章を、移植したシリーズ。 前回は、書下ろしでしたが、今回は、移植です。 前々回の、⑫の続きという事になります。




【2021/07/13 火】
  3時頃、ゆうパックが届けられました。 お中元かと思ったら、お中元はお中元でも、母が自宅向けに発送した品でした。 冗談ではない! 荷物を受け取りに出るのだって、感染リスクがあるのに、何だって、こんな、送らなくてもいい物を、わざわざ送るのか! 大迷惑です。

  大方、「お中元の発送先が少ないと、みっともない」程度の発想で、やっているんでしょう。 ちなみに、母は、100円ショップへ行ったら、「2000円分くらい買わないと、みっともない」と考えて、要らない物まで買ってしまうタイプでした。 今は出かけないから、そんな事もしなくなりましたが、性根は、全く直っていないようです。

  全く以て、この種の、見栄で物を買う人種には、つきあいきれません。 合理性のかけらもない。 人に迷惑までかけよる。



【2021/07/15 木】
  それはさておき、バッハのオッサン、何も分かっとらんな。 来日しても、日本国内のピリピリと張り詰めた空気が、まるっきり読めないらしい。 言うこと為すこと、ことごとく、ピント外れ。 むしろ、何も言わない方が、信用を保てるのではないでしょうか。 あまりにも、ズレているので、怒るより先に、笑ってしまうのですが、人の生き死にがかかっているのだから、笑い事ではないかな。

  大きな声では言いませんが、各国選手も、よく、この状況で、来るよなあ。 全然、日本の感染状況が、分かっていないんでしょうか? ワイド・ショーを見ていると、「選手が可哀相だ」というコメントが多いですが、可哀相以前に、「アホ」なんじゃないの? 来なきゃいーじゃん。 ボイコットは、自由なのだぜ。 感染の坩堝に、自ら飛び込んで来る、その気が知れぬ。



【2021/07/18 日】
  午後、資源ゴミを出しに、集積所まで。 今回は、旧母自で、ビン缶ペットまで持って行き、一度で出して来ました。 人多し。

  以前に比べると、マスクをしている人が増えましたが、無マスクのジジイもいました。 そんな奴に限って、私のすぐそばを通って帰って行く。 ワクチン既接種組? いやあ。 問い質せば、「熱中症対策で、マスクをしていない」とか何とか、言い抜けるんじゃないでしょうか。 ろくでもない。 迷惑がられると分かっていて、無マスクで動き回っている連中の気が知れない。



【2021/07/19 月】
  お中元が来る予定の、5軒の内、4軒目が、今日、届きました。 最後の一軒は、8月半ば頃になるのが分かっているので、とりあえず、これで、配達員の応対は、終わりです。

  それにしても、冷凍や冷蔵(チルド)が多いのには、困ります。 ウィルスが死に難いので、一旦、全部、中身を出して、浄化してから、冷蔵庫にしまわなければなりません。 かくいう、うちから出したお中元も、冷蔵のハムでしたが、私が出したわけじゃありません



【2021/07/26 月】
  朝一、母と車で、近所のスーパーへ買い出し。 トレペ1パックを含み、荷室・後席、8分目、買って来ました。

  帰って、買ってきた物を、全て、浄化。 バラ売りの果物・野菜や、蒟蒻・しらたき・豆腐など水密パックに入っている物は、漂白剤溶液を吹いたハンド・タオルで拭くより、中性洗剤で洗ってしまった方が、始末が良い事が分かりました。 この季節、スーパーの店内は冷房されているので、品物も冷えており、家に持ち帰ると、暖まって、汗を掻き始めます。 水分が出て来ると、タオルが濡れてしまって、消毒効果が薄れてしまうのです。



【2021/07/27 火】
  午後2時頃、昼寝していたら、宅配便が来ました。 母が、先週、電話で注文した梅干しが、ようやく届いたのです。 まったく、お気楽に注文してくれる。 受け取るこちらは、感染リスクを冒さねばならないというのに。 この梅干しのせいで、5日間ほど、振り回されました。

  幸い、配達員は、完全マスクでした。 こちらも、完全マスクで受け取りました。 品物は、浄化。 払い込み票を取り出し、母からお金を受け取って、早速、払いに行きました。 こんな事に、何日も関わっていられませんから。

  ところが、最初に行った、セブンイレブンの駐車場が満杯。 店の中も、ごった返していると思われたので、そこは避け、ちょっと遠いローソンへ行って払いました。 ちなみに、二箱と送料で、10800円。 どえりゃあ、高ゃあ。 金を、ドブに捨てている感あり。



【2021/08/04 水】
  少しずつ、面倒な事が、片付いて行きますが、今月は、お盆が過ぎるまで、気が抜けません。 ほとんどの問題が、他人と関わる事です。 どんどん、他人不信が増幅している感あり。 とにかく、感染急拡大中に、人を集めたりするのはやめてくれ。 何が起こっているのか、ニュースすら見ていないのか? 気が知れぬ。



【2021/08/07 土】
  午後は、3時過ぎまで、昼寝していました。 実は、燃やすゴミと、プラスチック・ゴミの集積所で、今まで、網を掛けていたのが、今日から、折り畳み式の籠に変えるというので、その説明会があったのですが、出ませんでした。 折り畳み式なら、鍵は使わないから、説明を聞かなくても、何とかなるだろうと思って。

  出ない理由は、集まって来る近所の面々が、ほとんど、マスクをして来ないだろうと踏んだからです。 この感染急拡大の最中に、そんな恐ろしい所へ出て行けるものですか。

  なぜ、マスクをして来ないと思うのかというと、今まで、その集積所へゴミを捨てに来る人で、マスクをしている者は、私を除き、ほとんど、見た事がないからです。 ご近所さんと顔を合わせて、無マスクで、ベラベラ喋りまくっているのも、日常的な光景です。 「ご近所さんは、家族と同じ」、「マスクをしたら、自分が感染者かと思われるか、相手を感染者だと疑っていると思われるから」といった、科学的思考の微塵も窺えない、馬鹿馬鹿な理由で、して来ないのでしょう。

  自分はマスクをして来たのに、相手が無マスクだから、それに合わせて、わざわざ外す、などという、馬鹿馬鹿馬鹿な人がいる事も、容易に想像できます。 「感染対策より、ご近所さんとの、信頼関係が大事」と考えているわけですが、実際に、自分が感染したら、そんな馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿な考え方は、一瞬で消し飛ぶでしょう。 ベラベラ喋ったご近所さんから、うつされたのは、火を見るよりも明らかだからです。

  自分が、ご近所さんとのおしゃべりで感染して、家の中に、ウィルスを持ち込み、家族にうつして、死なせてしまいでもしたら、どうするつもりなのか? また、感染した体で、他のご近所さんにうつして、その家で、死人が出たり、死なないまでも、重篤な後遺症が残ったりしたら、どうするつもりなのか? ご近所さんとの信頼関係を重視した結果だと、言い訳して、通るとでも思っているのか? まあ、そんな事を言っても、分かる人達ではないわけですが・・・。 熱が出る。

  そもそも、この緊急事態的な状況で、なせ、ゴミ置き場の方式など変えるのか、気が知れぬ。 新型肺炎が終わってからではいけないのか? また、印刷物を回覧板で回せば済むのに、わざわざ、人を集めて、説明会を開くというのも、神経が分からない。 世界中で、何百万人も死んでいる病気だという事を知らないんでしょうか? 自分達には関係ない、自分達には絶対うつらないと? どこからそんな、馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿な自信が涌いてくるのでしょう? あまりにも、愚かしい。




  今回は、ここまで。   思っていたより多くて、一回で出し切れませんでした。 次回も、このシリーズになりますが、次回の方が、少し長い文になります。 後文で、いろいろ書くと、本文とダブる部分が出てきそうなので、このくらいにしておきます。