2018/01/28

古い車のカタログ蒐集計画 ①

  この件に関しては、まだ、計画実行中なので、途中経過を報告するという形になります。 途中で出す理由は、二つ。 まず、計画の始動が、去年(2017年)の8月で、もう、随分、月日が経ってしまった事。 もう一つは、計画の完了がいつになるか、見通しが立たない事です。 いつ終わるか分からないなら、途中経過でもいいか、というわけ。

  そもそもは、一昨年のこと、現在、所有している車、セルボ・モードの欠けた部品をヤフオクで買っていた時、カタログも出品されている事を知り、欲しいと思ったものの、ドンピシャの版が出ていなくて、しばらく忘れていました。 それが、去年の8月、父の一周忌も過ぎて、閑になったので、また調べて見たら、ドンピシャ版が出品されていたので、いよいよ買う気になった、という流れです。

  以下、例によって、日記ブログの、日替わり写真から移植して、紹介します。




【古い車のカタログ】

  ヤフオクで、車のカタログを買おうと思い、認証制限を突破する為に、ヤフー・カードを申し込んだら、断られてしまいました。 クレジット・カードの審査というのは、収入がないと、通らないようですな。 少々、蓄えがある程度では、保証にならないわけだ。 ヤフオクの認証制限は、スマホがあれば簡単に突破できるらしいのですが、私は、スマホも携帯も持っていません。

  途方に暮れていたら、出品者が、ヤフオクとは別に、車カタログのネット・ショップをやっている事が分かり、ヤフオク出品分も、そちらで買えるというので、飛びつきました。 買えると思うと、どんどん欲が出て、これまでに家にあった車の分も欲しくなり、対象が増えてしまいました。

  8月20日に注文。 配送方法は、宅配便を選択しました。 ヤフオクに出品されている4点分が、落札されないまま、期間終了するのを待ち、25日に代金を、ゆうちょ銀行で振り込んだら、即日発送されて、26日に到着しました。

≪写真上≫
  カタログは、重ねて、防水用のビニールに入れ、ダンボール板2枚で挟んで、ガム・テープで周囲を貼ってありました。 かなり、厳重な梱包でして、雨に濡れるのを避ける為だけだったら、メール便でも大丈夫だったかもしれません。 しかし、この大きさでは、郵便受けに入らないから、門柱の上に置いて行かれたりすると、盗難の恐れがあり、宅配便を選んだのは、正解だったと思います。

  こんなに大きくなったのは、ホンダ・初代トゥデイのカタログが、規格外で、30×30センチあったからです。

≪写真下≫
  自室には、広げておく場所がなくて、父の部屋の衣類箪笥の上に置いて、一冊ずつ見ています。 これは、撮影用に、全冊見えるように、並べた様子。 古い順に書き出しますと、

・1975年10月 トヨタ 5代目コロナ前期型 (432円)
・1982年11月 ダイハツ 初代ミラ&クオーレ (324円)
・1985年09月 ホンダ 初代トゥデイ (864円)
・1986年07月 トヨタ 8代目コロナ (648円)
・1988、89年 トヨタ 5代目カリーナ前期型 2冊 (432円)
・1995年10月 スズキ セルボ・モード後期型 (432円)
・1997年12月 トヨタ 11代目コロナプレミオ (432円)
・2004年10月 ホンダ 4代目ライフ (540円)

  と、なります。 車の所有者は、コロナ3台は、父。 トゥデイとライフは、母。 ミラとセルボ・モードは、私。 カリーナ2冊は、CMが好きなので、買いました。 9冊8点で、税込み、4104円。 それに、宅急便サイズ80の送料が、702円加算され、総額4806円でした。



【セルボ・モード 後期型カタログ(5型) 1995年10月版】

  古い車のカタログ、9冊の内、そもそも、カタログを欲しいと思ったきっかけになったのが、この、「セルボ・モード 後期型カタログ(5型) 1995年10月版」でした。 私の車のドンピシャ版です。 自分が持っている車の情報が欲しいので、カタログを買うなら、ドンピシャ版でないと、意味がないと思っていました。

  セルボ・モードは、1990年から、1998年まで、足掛け、9年間も売られていて、1回のマイナー・チェンジと、数回の小改良を受けており、カタログも、そのつど、新たな版が作られています。 ヤフオクで、他の版なら、出ていたのですが、この版だけは、なかなか出て来なくて、探し始めてから、10ヵ月くらい、気長に待ちました。

  1995年10月に、「5型」と呼ばれる後期型になり、フロント・グリルや、リヤ・コンビネーション・ランプといった外装だけでなく、内装にも、大幅なデザインの変更が施されました。 私の車は、初回登録が、1997年の7月になっていて、車を買って来て間もない頃は、最終の6型ではないかと思っていたのですが、ヤフオクに出ている6型カタログのサンプル写真と見比べると、あちこち違っていて、どうやら、5型のようでした。 で、5型のカタログを手に入れて、見てみたら、確かに、私の車と同じだったというわけ。

≪写真上≫
  表紙と裏表紙を合わせて、全36ページあります。 車のカタログは、フル・モデル・チェンジと、マイナー・チェンジの時に、「本カタログ」と呼ばれる、20~30ページある厚手の物が作られ、その間を埋める格好で、ページ数が本カタログの半分とか、一枚紙の、二つ折り4ページとか、三つ折り6ページといった、簡略版が作られます。 これは、本カタログです。

  織田裕二さんは、前期型の頃から、イメージ・キャラを務めていて、他にも、織田さんが写っている版は、多いです。 もう、23年も前の写真ですが、どこで撮影したんですかねえ。 中のページにも、5・6枚、織田さんが入った写真があります。 それにしても、織田さん、本当に、セルボ・モードに乗っていたのだろうか?

  右は、価格表。 二つ折りで、中のページには、アクセサリー類が掲載されています。 価格表は、生産・販売が終わってから、20年も経過している今となっては、あまり、意味がないですが、世相変遷の参考にはなります。

  私の車は、「Mセレクション、5ドア、2WD、3AT」で、96万2700円だったようです。 それに、諸経費を足して、100万ちょい、というところでしょうか。 今の軽自動車は、押し並べて高いので、それと比べると、低価格ですが、セルボ・モード自体が、アルトの上級車種という位置づけでしたし、Mセレクションは、中間グレードなので、決して、安物だったわけではありません。

  最も安いグレードは、「Bタイプ、3ドア、2WD、5MT」で、72万6600円です。 最も高いのは、「SR FOUR、3ドア、4WD、5MT」で、130万6300円ですが、それは、4駆だから特別で、普通のSRシリーズは、110万円台だったようです。 性能を考えると、割安ですな。 軽の場合、グレードによる価格差の幅は、そんなに大きくありません。 ちなみに、セルボ・モードは、乗用のみで、ボン・バンはないです。

≪写真中≫
  3ドアのグレード・ページ。 左上の「Loft」というのは、特別仕様車です。 3ドアでは、Mセレクションが、最上グレードだったんですな。 この頃、すでに、最低グレードでも、エアコンは標準装備になっていました。 Bタイプは、たぶん、「ベース・タイプ」の事で、ホイール・カバーがない、シルバー塗装の鉄ホイールを履いています。

  イメージ・キャラに、織田裕二さんを起用していた事からも分かるように、若い男性向けに売ろうとしていたので、3ドアのグレードが多く設定されていたのでしょう。 だけど、たとえ、前席にしか人が乗らないとしても、使い勝手は、5ドアに、遠く及びません。 また、同じメーカーに、もっと低い価格帯のアルトが存在していた事を考えると、多少、安いから、3ドアを選ぶというのも、奇妙な感じがします。

≪写真下≫
  5ドアと、SRシリーズのグレード・ページ。 5ドアの場合、Xタイプが、最上グレード。 Mセレクションが真ん中で、下が、Eタイプです。 Eタイプは、ホイールが、12インチになり、ホイール・カバーのデザインも違います。 ホイール・カバーから推測するなら、3ドアの、Cタイプに相当すると思われます。

  私の車が、確実に、Mセレクションだと断定できたのは、Xタイプほど、装備が良くなく、Eタイプには、外板色に、シルバーの設定がないからでした。 また、Eタイプは、後席ドアにパワー・ウインドウがついていません。 私のにはあります。

  SRシリーズには、「SR FOUR」と、「SR TURBO」の2種があり、どちらも、ターボ車なのですが、「SR FOUR」は、ツインカムの4気筒、「SR TURBO」は、3気筒という違いがあります。 もちろん、4気筒の方が高いのですが、価格差は、5MT車で、5万円程度だったようです。 「SR FOUR」は、5MTのみなので、SRシリーズで、ATが欲しかったら、「SR TURBO」を買うしかなかったわけだ。 ちなみに、SRシリーズではない、普通のタイプは、3気筒エンジンです。


  全般的に、外板色の種類が少ないのは、意外でした。 高いグレードでも、4色。 低いと、2色。 「SR FOUR」に至っては、黒1色しかありません。 色なんて、グレードに関係なく、選べると思っていたんですが、そうでもないんですな。 新車を買った事が一度もないから、知りませんでした。

  時代を感じさせる点というと、キーレス・エントリーが、上級グレード以外、オプションになっています。 それに、エア・バッグが、上級グレードですら、オプションになっています。 私の車には、確実に付いていません。 という事は、エア・バッグの破片で死ぬ事はないわけで、逆に安心しました。 カーナビは、まだ、設定がなくて、なぜか、液晶テレビが、オプションになっています。



【5代目コロナ前期型のカタログ 1600ccTTC 1975年10月版】

  5代目コロナ前期型の、1600ccTTC 1975年10月版です。 これを注文した後で、父が乗っていたのが、前期型ではなく、後期型だった事が分かり、バージョン違いを買ってしまった事に気づいたのですが、一部であっても、キャンセルすると、信用を落としてしまうので、そのまま、買いました。

  これを本当に欲しがっている人に申し訳ないとも思いましたが、値段は、税込み、432円で、それほど、貴重な物ではないので、倫理的な罪は、さほど重くはありますまい。 もちろん、法的には、何の問題もなし。

  で、この、三つ折りカタログですが、前期型の本カタログではなく、1600cc車に、「TTC」と呼ばれる、触媒方式の排出ガス規制適合車が発売された時の、簡易カタログのようです。

  5代目コロナの前期型は、記録的に売れたらしく、そう言われてみれば、うまく纏まったデザインだと思います。 後期型で、高級車っぽいフロント・マスクに変えたら、売れ行きが落ちてしまったとの事。 その不評だった後期型を、父が買ったわけです。 1977年か、78年の事。

  装備は、前期も後期も大差ないと思うのですが、時代を感じさせるものというと、エアコンが、まだ、全グレードで、オプションです。 FMラジオや、カセット・ステレオも、オプション。 シート・ベルトは、標準装備ですが、当時、父の車に乗った時に、ベルトをしていた記憶がないです。 ベルト着用が義務付けになるのは、1980年代半ば頃からでしたから。

  私は、この前期型を、小学生の頃に、学校の駐車場で見たような記憶があります。 教師か職員が、通勤に使っていたのでしょう。 その後、私が中学生になってから、父が、これの後期型を買い、フロント・デザインの違いに気がつくのですが、それが前期・後期の違いだという事までは、分かりませんでした。 折しも、スーパー・カー・ブームの頃でしたが、普通の車には、大して、興味がなかったんですな。




  今回は、ここまで。 送料を安く上げる為に、纏めて買ったのですが、一気に見てしまうと、すぐに飽きて、お蔵入りにしかねないので、一ヵ月に一冊ずつのペースで見ています。 そのせいで、なかなか、公開する写真が溜まりません。

  参考までに、過去に、うちにあった車を列挙しておきますと、以下のようになります。 

【父】
1 初代トヨペット・クラウン後期型
2 初代ファミリア800(新車)
3 2代目ファミリア1200(新車)
4 5代目コロナ後期型(新車)
5 8代目コロナ(新車 1987年頃購入)
6 11代目コロナ・プレミオ(新車 1998年購入)

【母】
1 初代トゥデイ前期型(新車 1986年購入)
2 4代目ライフ(新車 2004年購入)

【私】
1 初代ミラ中期型(中古 1982年式 1986年購入)
2 セルボ・モード後期型(5型)(中古 1997年式 2016年購入)

  「初代トヨペット・クラウン後期型」は、叔父が買った車。 父の一番下の弟です。 1960年代前半で、当時は、叔父がまだ、うちに住んでいたので、叔父の車であると同時に、家の車でもあったというわけ。 父も免許を持っていて、叔父の車を乗り回していたらしいです。 赤ん坊の私が、運転席に座っている写真もありますが、私自身は、全然、記憶がありません。

  父が初めて、自分で買ったのは、次の「初代ファミリア800」ですが、その時、叔父の車を、勝手に下取りに出してしまって、叔父が怒ったという、伝説あり。 そりゃ、怒るわな。 だけど、車置き場は一台分しかないので、新車を買うとなれば、古いのは下取りに出す以外なかったわけです。 所有者である、叔父の了解を取らなかったという点が、問題。

  他に、私の兄の車が、何台かありましたが、それらは、最初から、カタログ蒐集の対象から除外しています。 私が、兄の車に乗った事は、皆無に近いので、思い出もないというわけです。 思い出がないといえば、「初代トヨペット・クラウン後期型」も、まるで覚えていないわけで、カタログを欲しいという気が薄いです。 ヤフオクで出ていますが、1万円クラス。 値段的にも、問題外ですな。

  私が、運転した事もなければ、乗せてもらった事もないのに、カタログを買ったのは、5代目カリーナだけです。 これは、テレビCMが好きで、私が青春を過ごした、バブル時代の華やかさを思い出させてくれるので、カタログも欲しくなった次第。

2018/01/21

ママチャリ=蔑称

  前回、柿の種の小袋裏に書かれていた文章を取り上げるのに、「ママチャリ」という言葉を、便宜的に、そのまま使いましたが、この言葉、蔑称と取って、違和感や、拒絶感を覚える人も、少なくないだろうと思います。 果たして、「ママチャリ」は、蔑称なのか?




  結論から言いますと、「ママチャリ」は、正真正銘、言い抜けのしようがない、どこへ出しても恥ずかしい、蔑称だと思います。 専ら、軽快車を馬鹿にして、「ママチャリ」と呼んでいるわけだ。 見下しているわけだ。 ついでに、軽快車に乗っている人間も馬鹿にしているわけだ。 人を人とも思っていないわけだ。 虫ケラ扱いしているわけだ。 いや、それほどではないか。 そもそも、虫ケラ扱いというのは、虫に失礼、螻蛄に失礼ですな。

  ところで、「ママチャリ」の後半部分の元になっている、「チャリンコ」という言葉は、別に、蔑称ではありません。 単なる、自転車の愛称です。 「チャリンコ」の語源は、諸説紛々で、どれと決めるわけにはいかないようですが、語源が何であるかに関係なく、「チャリンコ」は、無色透明な言葉なわけだ。

  ただ、物は使いようでして、普通の言葉であっても、別称に近い使い方もできない事はないです。 地方に於いては、どんなに近い所であっても、車で行く生活をしていて、自転車を一切使わず、常日頃、自転車に乗っている者を小馬鹿にしている輩というのが、少なからず存在しますが、そういう人間が、ニヤニヤ笑いながら、「なになに、あそこまで、チャリンコで行くの?」と、揶揄口調で言った場合、それは、蔑称として使っているわけだ。

  しかし、その場合、「なになに、あそこまで、自転車で行くの?」と言ったとしても、やはり、相手を馬鹿にしている事に変わりはなく、「自転車」に対して、特段、「チャリンコ」の、蔑称度が高いというわけではないです。  そういうケースでは、問題は、もはや、言葉の次元ではなく、そんな風に、自転車を馬鹿にしている、車オンリー人間の、人格レベルの低さにあります。 ちなみに、認知機能の低下で、危険運転の常習者になってしまっているくせに、免許を返す事を頑強に拒絶している高齢ドライバーの大半が、この種の、車オンリー人間なのですが、それはまた、テーマが別なので、今回は触れません。 


  話を、「ママチャリ」に戻しますが、前半部分の、「ママ」が、蔑称ではない事は、論を待ちません。 普通の言葉ですな。 むしろ、いいイメージを伴っている場合すら多い。 ところが、その「ママ」が、「チャリンコ」と合体して、「ママチャリ」になると、蔑称としか言いようがない、蔑称になってしまうんですわ。

  まだ、勤めていた頃、北海道の苫小牧にある工場へ、2ヵ月半、応援に行っていたのですが、その時、リサイクル店で、シティー・サイクルを買って、足にしていました。 一緒に、応援に行っていた人が、その事を聞きつけ、「○○さんが買った自転車って、ママチャリ?」と訊いて来ました。 少し違和感があったものの、その人は、他人を馬鹿にするような性格ではなかったので、たぶん、蔑称という意識なしに使ったのだろうと判断して、訂正を求めるような事はせずに、話を合わせておきました。

  その人の頭の中では、スポーツ自転車、折り畳み自転車、実用車、子供自転車以外は、全て、「ママチャリ」なのでして、単なる分類名に過ぎず、他意はないようでした。 一応、「軽快車ではなく、シティー・サイクルの方」と言っておいたのですが、両者の区別が分からないようで、頭の周りに、「?」マークが飛びまわっているような顔をしていました。


  もう一つ、実例を挙げます。 いつの事だったか忘れてしまいましたが、何か、自転車の整備上の問題で、ネットの質問掲示板を読んだ事がありました。 質問者が、「私は、ママチャリに乗っているのですが・・・」という書き出しの質問をしたのに対し、回答者の一人が、「まず最初に言っておきますが、ここに来る人達は、『ママチャリ』という呼び方を嫌うので、使わない方がいいです」という前置きをしているのを見ました。

  質問掲示板が、サロン化しているというのにも、ビックリしましたが、それはどうでもいいとして、「なるほどねえ。 そういう一群もあるんだねえ」と、「ママチャリ」という言葉を嫌う人々の存在を初めて知った次第。 回答者は、確実に、自転車好きで、しかも、軽快車やシティー・サイクルに対する偏見がないわけだ。 何だか、妙に親近感が湧きましたが、そんな人達が大勢いるというのは、ちょっと、不自然な感じがしないでもないですなあ。


  そもそも、「ママチャリ」という言葉を使い始めたのは、誰なのかと考えると、これが、よく分かりません。 漠然とした印象で、最も疑わしいのは、何と言っても、スポ自乗りです。 自分が乗っている、スポ自を持ち上げ、それ以外の自転車を扱き下ろす為に、「ママが買い物に使うような自転車」という意味で、「ママチャリ」という言葉を作ったと・・・。

  しかし、スポ自乗りというのは、昔から大勢いたわけではなく、自転車ブームで、どっと増えたのであって、「ママチャリ」という言葉は、それ以前からあったような記憶があります。 昔も、スポ自乗りはいましたが、プロや、クラブなどに所属している、ごく少数の人達だったので、彼らに、「ママチャリ」という言葉を流行らせるほど、影響力があったとは思えません。

  自転車の生産・販売に関わっている人達の、隠語だったんでしょうか? しかし、「ママチャリ」の定義には、一定しないところがあり、どの車種を指しているのか、はっきりしないような言葉を、メーカーや商人が使うとも思えないのです。

  学生は、隠語の生産拠点みたいな集団ですが、軽快車は、高校生でも、性別を問わず、乗っているのであって、自分達が乗っている自転車に、蔑称をつけるというのも、奇妙ですなあ。 高校生の中の、スポ自乗りが言い出したという線も、人数が少な過ぎて、影響力が限られているから、まず、ありますまい。

  「ママチャリ」という言葉が、軽快車だけを指し、シティー・サイクルが除外されるのなら、シティー・サイクルに乗っている学生が、軽快車に乗っている学生を馬鹿にして、「ママチャリ」という言葉を作ったという事も考えられますが、シティー・サイクルも、ママチャリの中に含める人が多いのだから、その線も考えられません。 そもそも、学生が、軽快車とシティー・サイクルを、どれだけ区別しているか、大いに疑問でして、わざわざ、指摘されなければ、違いが分からない人も多いのでは?

  結局、言いだしっぺは、分からないとしか、言いようがありません。


  強引に纏めますと、良識ある人間として見られたいのなら、「ママチャリ」という言葉は、使わない方が無難なのは、間違いありません。 自分の乗っている自転車に対して、その言葉を使われた時、馬鹿にされたと感じる人がいると分かっていて、わざと使うのは、相手に、「私を憎んで下さい」と頼んでいるようなものですから。 それに、「軽快車」や、「シティー・サイクル」という、車種名を使って、呼んだ方が、知的に見られると思います。

2018/01/14

ママチャリ≠子供乗せ自転車

  柿の種の小袋の裏に書かれていた文章なんですが、捨てる前に、写真を撮っておいたので、まあ、読んでみて下さい。


  読みました? 面白いでしょう。 この文章を書いた人、思わず、「ハッ!」とするようなレベルの、大誤解をしておりますなあ。 私は、これを読んで、アハ体験をしましたよ。 脳が若返りました。

  この書き手が、「子供乗せ自転車」の事を、「ママチャリ」と呼ぶと思っているのは、疑いないところ。 つまり、「ママチャリ」が何を指すのか、分かっていないわけだ。 いるんですねえ、こういう人も。

  ママチャリというと、普通は、軽快車の事を指し、人によっては、シティー・サイクルも含み、更に、消去法を使い、スポーツ自転車、折り畳み自転車、子供自転車を除く、全ての自転車の事を、ママチャリと言う人もいます。 会話に於いては、相手が、どの範囲で、ママチャリという言葉を使っているか、見極めるのが、肝要ですな。

  でも、子供乗せ自転車は、子供乗せ自転車でしょう。 「子供を乗せる」という特徴が前面に出ているので、わざわざ、ママチャリの中に含める必要がないわけだ。 確かに、「ママ」が乗っている事が多いけれど。

  思うに、この書き手、自転車に普段乗っていないだけではなく、学生時代にも、自転車通学した経験がなく、子供の頃、子供自転車に乗ったくらいで、それ以降、まるっきり、自転車と縁がない人生を送っているのではありますまいか。 そういう筋金入りの門外漢が、自転車に関する文章を書いてしまったのが、悲劇ですな。

  その人は、知らなかったんだから、仕方ないですけど、大きな会社なんですから、誰か、この誤解に気づかなかったんですかね? 大量に印刷して、日本全国に売り出される前に、「これ、おかしいんじゃない?」と指摘する人が、一人もいなかったというのが、また、凄い。


  呼び名の勘違いは、さて措くとしても、子供乗せ自転車が、「日本が誇る自転車」だとは、つゆ知りませんでした。 ロンドンで、専門店が出来ているというのも、たまげた話。 ヨーロッパでは、ハンドル周りを重くするのを嫌って、前籠すら付けないのが普通なんですがねえ。 後ろの荷台だけに乗せるというなら、まだ、分かります。 このイラストが、間違っているのでは?

  私は、一生、子供乗せ自転車には縁がないので、その存在そのものに対する批判はしませんが、前にも乗せるタイプの場合、ハンドル周りが重くなると、停車時や、低速時に、非常にバランスが悪くなるので、充分に気をつけた方がいいとだけ書いておきます。 そういや、前後に子供を乗せていた母親が、自転車を倒してしまって、子供が大変な事になったというニュースがありましたなあ。 誰が悪いとも言いませんけど。

  で、また、柿の種の文章に戻るわけですが、「子供を安全に乗せたいというお母さんたちの思いから作り出された」というのも、後からこじつけた解釈としか言いようがないです。 本当に安全を優先に考えているなら、車に乗せると思いますよ。 経済的な理由とか、駐車場の問題とか、よんどころない事情があるから、子供乗せ自転車を選ばざるを得なかったというのが、使っている人達の本音でしょう。

  「使い勝手がいい」というのも、どういう点を言っているのか、首を傾げます。 おそらく、実際に使っている人達は、子供を乗せるたびに、倒れないか、ヒヤヒヤしていると思いますけど。 「頑丈さ」というのは、あまり意味がないですな。 自転車が、どんなに頑丈でも、倒れてしまえば、子供は、アウトですから。

  畢竟、子供乗せ自転車の問題点は、バランスの悪さに尽きます。 「安全だ」、「便利だ」、「頑丈だ」などという、根拠不明の言葉に惑わされず、「どちらかと言うと、危険な乗り物」という認識を持った上で、注意しながら使うのが、妥協点というものでしょう。

2018/01/07

セルボ・モード補修 ⑩

  新年早々、去年の話で、鬼が怒り出しそうですが、それはどうでもいいとして、去年の11月に、私の車、セルボ・モードの、購入後2回目のオイル交換をしました。 「ただのオイル交換だから、わざわざ、記事にする程の事もないだろう」と、高を括っていたのが、やってみたら、思いの外、てこずりまして、ゆうに、記事一回分、埋められるボリュームになってしまったので、それを紹介します。




  11月13日に、車のオイル交換をしようと思ったのですが、5月に使った、手動ポンプが、なぜか、オイルを吸い上げくれません。 いろいろと、やり方を変えても、駄目なので、業を煮やし、上抜きは諦めました。

  上が駄目なら、下から抜くしかありませんが、ドレン・パッキンは、毎回、新しい物にした方がいいらしいので、まず、ドレン・パッキンを買いました。

≪写真上≫
  車の下にカメラを挿し入れて撮影したので、写りが悪くて恐縮ですが、エンジン・オイルのオイル・パンについている、ドレン・ボルトです。 銀色に光っているのが、ドレン・パッキン。 ドレン・ワッシャーとも言います。 アルミ製と、銅製があり、これは、アルミの色ですな。

   セルボ・モードの、F6Aエンジンの場合、ドレン・パッキンの内径は14ミリ。 外径が分からないので、ノギスを当てて測ったのですが、車を持ち上げないまま、腕だけ、車の下に突っ込んで、無理な姿勢でやったせいで、測るたびに数値が異なってしまい、「大体、20ミリくらい」という事しか分かりませんでした。

≪写真下≫
  アマゾンの、「ガレージ・ゼロ」というショップで買った、ドレン・パッキン、「GZMT64」。 外径20×内径14×厚さ1.5ミリのアルミ製が、3枚入りで、送料込み、98円。 13日に注文して、届いたのが、18日でした。 茶封筒で、郵便受け配達。



  11月22日に、オイル交換に、再挑戦しました。 セルボ・モードで、下抜きするのは、初めてです。 20代の頃に所有していた、初代ミラでは、最低、二回は経験していますが、具体的なやり方は、完膚なきまでに、忘れてしまいました。 ちなみに、バイクでは、大雑把に計算して、22年×3回で、60回以上、オイル交換しました。

  エンジンを温める為に、10分くらい、近所を走って来た後、今年の6月頃作った、カー・ステップを組み立て、車の前輪を載せて、持ち上げました。 ダンボール箱を開いて、エンジンの下に敷き、潜り込んで、作業します。 紺色のオイル・バットは、父の遺品です。 使う工具は、ドレン・ボルトを回す為の、コンビネーション・レンチだけなので、車を持ち上げる事さえできれば、割と簡単にできます。

  ただし、ジャッキ・アップしただけで、車の下に潜るのは、あまりにも、危険です。 ボルトを回す時に、横方向に力をかけると、車が揺れて、ジャッキが外れる事があるらしいです。 カー・ステップ、もしくは、カー・スロープを用意するか、ジャッキ・アップした上で、「馬掛け」という、車の落下止めを施すか、いずれかの対策が必要。

  油を扱う作業なので、汚れてもいいように、植木の手入れの時に使っている、作業服を着て、車の下に潜りました。 元は、勤めていた時の、会社の作業服ですが、未だに役立っています。



≪写真上≫
  ドレン・ボルトに、17のコンビネーション・レンチを噛ませて、左手でボルトの近くを押さえながら、右手で、レンチの端を、二回叩いたら、するっと、緩みました。 必要最小限の締め付けをしてあったようです。

  ところが、ドレン孔が、後ろ向きに開いているものだから、オイルが、後ろへ勢いよく飛び出し、オイル・バットに入らず、車置き場のコンクリートに、オイルの池が出来てしまいました。 先に新聞紙を敷いておけばよかった。 というか、ボルトを外す時に、一気に取ってしまわないで、噴き出すオイルをボルトに当てて、真下に落としながら、勢いが弱まるのを待てば良かったんですな。

≪写真下≫
  右側から順に、「ドレン・ボルト」、「外したドレン・パッキン」、「新しく買ったドレン・パッキン」。 外したパッキンが、新しく買ったパッキンより、大きくて、厚い事に気づきました。 買ったのは、20×14×1.5ミリですが、外したのは、22×14×2ミリだったんですな。 まあ、内径さえ同じなら、外径や厚さが違っていても、使えるから、いいんですが。

  ドレン・ボルトには、古いオイルが附着しているわけですが、パーツ・クリーナーなどで洗浄するのならともかく、そうでないのなら、汚れたウエスで、古いオイルを拭きとるのは、厳禁です。 ウエスに付いているゴミが、ネジの溝に入り込んで、締まらなくなる恐れがあるからです。 何でも、拭いた方が綺麗になるような気がするんですが、ドレン・ボルトに限って、それは、錯覚です。

  1時間くらい待って、ドレン・ボルトを締め直しました。 トルク・レンチがないので、締め付け具合は、大体です。 バイクの時も、それでやって来たから、たぶん、問題ないと思います。 ドレン・ボルトで気をつけるべきなのは、トルクの精確さよりも、斜め入りですな。 あれをやってしまうと、いろいろと、とんでもない事なります。

  新しいオイルを入れて、車の方は、完成。 しかし、その後、油まみれになったウエスを洗ったり、手動ポンプを洗ったり、コンクリートの油浸みを取ったり、そちらの方で、疲れました。




  とまあ、そういう経過だったんですがね。 少し補足しておきましょうか。


  手動ポンプは、今回は、一滴たりとも、吸い上げてくれませんでした。 つまり、チューブの先端が、オイルの表面まで、届いていないのです。 5月にやった時には、届いていたわけですが、なぜ、時によって、届かなくなるのか、原因は不明です。

  負圧タンクが付いたポンプなら、先にポンピングして負圧を作っておき、チューブの入り具合を加減しながら吸い上げられるから、タンクなしのポンプより、確実性が上がると思いますが、そもそも、チューブがオイル面に届かない事があるのでは、話になりませんな。 やはり、上抜きは、不確実性が高い。


  ドレン・パッキンは、10枚入りや、20枚入りもありますが、注文寸前に、たまたま、3枚入りで送料無料というのを見つけたので、そちらに飛びつきました。 3枚なら、たとえ、次の車検が通らず、車を買い換えるような事態に至っても、無駄にする枚数が最少で済みますから。 外径と厚さが違っていたのは、痛恨のミス。 測定を甘く見てはいけませんな。


  上抜きと違って、下抜きは、オイルが、どっと流れ出て来るので、「抜けたなあ」という感慨があります。 たとえ、抜いた量が同じでも、下抜きの方が、ずっと、気持ちがいいです。 5月から、11月まで、半年で、500キロも乗っていないのですが、オイルは、結構、汚れていました。 もしかしたら、新品のオイルを入れて、透明感が多少なりとも残っているのは、ほんの数十キロくらいなのか知れませんなあ。

  ちなみに、新しく入れたオイルも、前回と同じく、ホーム・センターで買って来た、「Techno Power 10W-30 4L」です。 税込み、998円。 前回の缶に、3分の1残っていたので、まずそれを入れ、新しく買って来た缶で、足りない分を補ったという格好です。 来年5月の分まで、その缶で、もつと思います。


  オイルを入れる時には、最初に、大体の分量を、少なめに入れて、その後、エンジンに付いている、オイル・レベル・ゲージで測りながら、少しずつ足して行きます。 最初に、どかっと入れて、入れ過ぎると、また、ドレン・ボルトを外して、抜かなければなりません。  鬱病になるほど、面倒臭いので、一か八かに賭けない方が良いです。

  車の説明書に載っている、オイル量の数値は、実際の交換作業をする上では、目安にしかなりません。 特に、オイル・フィルターを外さない時は、フィルター内にオイルが残っているので、「3リットルと書いてあるから、3リットル入るのだろう」と思って、入れてしまうと、確実に、入れ過ぎになります。

  「少な過ぎるとエンジンが焼けてしまうけれど、多い分には、問題なかろう」と思いたいところですが、私のバイク時代の経験から言うと、オイルが多過ぎると、エンジンの上の方の継ぎ目から、漏れ出し易くなります。 やはり、ゲージ目盛りの上限を超えないようにしておいた方が、無難。 もし、超えていたら、鬱病覚悟で、抜いて減らすしかないです。

  オイル・レベル・ゲージは、下限から上限の間に、そこそこの量の違いがあるわけですが、大体、真ん中あたりにしておけば、問題ないと思います。 抜いたオイルの量と、入れたオイルの量に、200~300ccくらいの差があると、ギョッとしてしまいますが、ゲージで測っているのは、オイル・パンに溜まっているオイルの量なので、たとえ、ゲージ上で数ミリの違いでも、数百ccの差になる事は不思議ではないです。


  車置き場のコンクリート面に、ドバッとブチまけてしまった、古いオイルですが、その時は、「しまった! こんなの、永久にとれないぞ・・・」と青くなったものの、オイル交換作業が終わるまでの間に、やり方を考えて、洗浄を施し、何とか、元の状態に戻しました。 参考になるかもしれないので、手順を書いておきます。

① ウエスや、ティッシュで、吸い取れるだけのオイルを吸い取ります。
② 中性洗剤を溶かした水に束子を浸けて、汚れた所をゴシゴシこすり、しばらく、置いておきます。
③ 惜し気のない雑巾を上に被せて、吸い取らせ、バケツに絞り出します。

  一度で綺麗にしきれなくても、②と③を繰り返せば、ほとんど、汚れが分からなくなります。 見た目、綺麗になったからといって、ホースで水を流したりすると、油が浮き上がって、道路の方まで、虹色になってしまう恐れがあるので、やめた方がいいです。(経験者・談)


  下抜きでオイル交換をした後は、乗るたびに、エンジンの下を、ちょこちょこ覗き込んで、オイルが漏れていないか、確かめます。 ドレン・ボルトそのものを見なくても、地面に油が垂れているかどうかで、判断できます。 その為にも、下のコンクリート面は、綺麗にしておいた方が都合がいいというわけです。