2017/06/25

捨てた本 ①

  漫画を、ほとんど捨てた後、漫画以外の本も、かなり捨てました。 4回に分けて、遺影と解説を出します。






≪古文参考書≫
  高校時代に買った、古文の参考書。 いずれも、1982年頃に買ったものと思われます。 高校時代を通して、他の教科の参考書なんて、一冊も買いませんでしたから、古文が好きだったんでしょうねえ。

枕草子
大鏡
日本永代蔵・世間胸算用
土佐日記
方丈記・無名抄
更級日記
要説 源氏物語・前編
読解 枕草子


  枕草子は、二冊も買っていて、よほど、好きだったんでしょうなあ。 昔過ぎて、もう、その頃の感覚が甦って来ませんけど。 更級日記は、好きだった記憶があります。

  今後、これらの元作品を読む事があるとしても、図書館で、対訳付きのを借りてくると思うので、抄訳でしかない、これらの参考書は、もう読まないと判断し、捨てました。


≪頭の体操≫
  かつて、ベスト・セラーになった、多湖輝(たごあきら)さんのクイズ本、「頭の体操シリーズ」。 私が持っているのは、4巻と6巻で、初版は、4巻が、1967年11月、6巻が、1978年6月。 私が買ったのは、6巻が、1980年頃。 4巻は、それより数年前だと思いますが、よく覚えていません。 4巻の方は、164版になっていて、大当たりした事が伺えます。

  面白い本なんですが、さすがに、この歳になって、読み返す気にはなりませんなあ。 もう、クイズとかに、頭を使うのが、面倒臭くて。 ちなみに、このシリーズの本に載っているクイズを解くは、機知が必要で、知識があっても、あまり、役に立ちません。

  右端のは、別の著者による、「科学パズル」の第2巻。 どういう内容か、まるで覚えていません。 下手に読み返して、捨てるのが惜しくなったりすると、また何年も死蔵する事になり兼ねないので、開かずに、捨てました。 覚えていないという事は、そんなに面白くなかったのでしょう。


≪賛美歌≫
  小学校高学年から、中学にかけて、友人に誘われて、プロテスタントの教会に、しばらく通っていたのですが、その時に入手した賛美歌の本です。 初版は、1974年12月。 この本は、35版で、1977年2月発行。 聖書もあり、そちらは、今でも、たまに開く事があるのですが、賛美歌の方は、もう、見る事もないと思い、捨てました。 この本、買ったのか、貰ったのか、記憶にありません。 表紙の裏に、「○○君へ」と書いてあるので、貰ったのかも知れません。



≪NHKテキスト テレビ中国語講座・中国語会話≫
  NHK教育テレビの、「中国語講座」のテキストです。 一番古いのは、1984年の10・11月号。 ひきこもっていた頃です。 そこから、翌85年の12月号までは続けて買っていたのですが、86年からは途絶えます。 86年は、植木屋見習いで働き始めた年なので、それが関係しているのでしょう。 仕事がきつ過ぎて、語学どころではなくなってしまったのです。 87年の3月から、また、とびとびで買い始め、92年1月号が、中国語講座としては、最後の一冊になっています。

  この時期の、テレビの方のテキストは、表紙が写真で、いずれも、フォト・ジェニックなショットなのですが、ちと、日本では見られなくなった素朴さに目を向け過ぎて、中国社会の急速な発展を写しきれていない嫌いがありました。

  その後、「中国語講座」が、「中国語会話」に変更になり、内容が易しくなって、テキストのデザインも変わりました。 98年と99年に、思い出したように何冊か買って、それっきりになります。 最後の一冊を買ってからでも、もう、18年も経ってしまいましたよ。


≪NHKテキスト ラジオ中国語講座≫
  こちらは、ラジオの方のテキストです。 一番古いのは、1987年3月号で、そこから、89年8月号まで、とびとびで買っています。 92年に、1月号だけ買い、更に飛んで、98年になって、思い出したように、7・8・9月号を買って、おしまい。

  ラジオ・テキストは、最初から、表紙が絵でした。 ラジオの方は、どういう聴き方をしていたのか、全然、覚えていません。 もしかしたら、放送は聴いていなくて、テキストの巻末に付いている、オマケの中国情報を読みたくて買っていたのかも知れません。 テレビの方でも、語学テキストではなく、中国情報誌として、買っていた感は強いです。


  一冊180円~330円ですが、安いとはいえ、収入ゼロのひきこもり時代に、よく買っていたものだと思います。 中国語は、不完全ながら、一応、「読む」だけはできるようになったので、この投資は、全く無駄になったわけではありませんでした。 さすがに、もう、これらの古いテキストを開く事はないので、捨てました。



≪NHKテキスト ハングル講座≫
  NHK教育テレビの、「アンニョンハシムニカ ハングル講座」のテキストです。 並び順がおかしくなっていますが、1984年6月号から、12・1月号まで買いました。 開講直後から買い始めたと思っていたのですが、この表紙からでは、確認できませんな。

  84年は、ひきこもりの2年目です。 そもそも、語学に興味を持ったのは、中国語より、韓国朝鮮語の方が先で、新しく、NHKで講座が始まるというので、テキストを買って来たのです。 同年の10月から、中国語の方も見るようになり、3ヵ月くらい並行していたのですが、その内、ハングル講座の方は、見なくなって、テキストも買わなくなってしまいました。 収入ゼロだから、テキストを、月に2冊も買えなかったのだと思います。


≪NHKテキスト 市民大学≫
  1984~88年頃、NHK教育テレビで放送していた番組、「市民大学」のテキストです。

東南アジアのこころ
宇宙の科学史
現代中国への視点
唐詩の世界
食文化から見た東アジア
博物学の世紀

  もう一冊、1984年に放送された、「沖縄の歴史と文化」という講座のテキストが、そもそもの買い始めなのですが、それは、今回、捨てない事にしたので、ここには写っていません。

  僅かながらでも、内容を覚えているというと、「宇宙の科学史」だけですかねえ。 こういう講座は、当たり外れがありまして、タイトルで面白そうに感じられても、中身を見たり読んだりしてみると、専門的過ぎて、興味がついていかなかったり、逆に、内容が希薄で、アホ臭くなってしまうものなど、いろいろとあったのです。

  私は、大学に行かなかったので、若い頃には、劣等意識があり、何とか、自力で教養を身につけようと、足掻いていました。 ちなみに、今は、大学生や大卒と言っても、教養のかけらもない人が多いので、何の劣等感も持っていません。 さりとて、優越感を覚える事もないのは、教養そのものが、世間から見放されてしまったからでしょう。




  今回は、ここまで。 本と言いながら、今回は、本らしくない本が多くなりましたが、次回からは、本らしい本が出て来ます。


  余談ながら、ここ最近の私は、車(セルボ・モード)の整備に気を取られながら、暮らしています。 ようやく、エアコン・ベルトの交換に成功し、ジェネレーター・ベルトも張り調整できました。 ところが、その作業中に、邪魔だったので、エア・クリーナーの蓋を外したら、フィルターが汚れていて、ビックリ! 悩んだ末に、「交換しておいた方が良かろう」という結論に至り、現在、部品を取り寄せ中。 詳しい事は、いずれまた、写真付きで紹介します。

2017/06/18

引退後の足とお足

  去年の7月末に買った車(セルボ・モード)の、税金と、任意保険料を、つい先日、立て続けに払いました。 税金の方は、12900円。 任意保険は、22410円でした。 車を維持する為には、車検がない年でも、最低、それだけは、払うわけですな。

  税金が、軽自動車にしては高いと思うかもしれませんが、それは、私の車が、初登録されてから、13年以上経っているからです。 乗用で、自家用で、13年以上というのが、一番高くなるんですわ。  片や、最も安いのが、貨物(ボン・バン)で、営業用で、13年以内という車で、3800円ですが、個人で買う場合、普通は、自家用ですから、それは、5000円。 具体的な車種で言うと、アルト・バンや、ミラ・バンが該当します。

  税金だけで、7900円も差があるわけで、私は、凄い損をしているような感じですが、車の本体価格が、まるで違いますから、実際には、損をしているわけではないです。 10年乗ると仮定して、税金の差額は、79000円に過ぎず、私の車は、本体価格が8万円でしたから、足すと、159000円で、そんな金額では、初登録から、3年以内のボン・バンは、買えないと思います。 なぜ、3年以内のでないといけないかというと、10年乗る仮定だから、その間、安い税金を維持する為には、3年以内のを買わねばならぬというわけ。


  任意保険の方は、去年は、29650円でした。 それが、22410円になったわけですから、一年で、随分安くなった事になります。

・ ノンフリート等級が一つ上がった。
・ 免許の色が、青から金に変わった。
・ 年間走行距離が、5000以上から、5000以下になった。
・ 初回継続割引が、適用された。

  といった変化で、安くなったようですが、詳細は不明。 保証の内容は変わっていないので、安くなる分には、文句はないです。 ノンフリート等級が順調に上がっていけば、最終的に、半額くらいになるかもしれませんが、たぶん、私は、そこまで到達する前に、車をやめると思います。 母の寿命次第でして、母が死んでしまったら、もう、車は要らないわけで、その次の車検まで乗って、手放す事になるでしょう。 年式的に見て、廃車にする事になると思いますが。

  車検費用ですが、車を買った時に、中古車店の店長に言われたのは、5万円かかるという数字。 車検は、2年に一回ですから、一年あたり、25000円という事になります。 という事は、車検、税金、任意保険を合わせると、60310円。 ただし、任意保険は、年ごとに下がります。

  それ以外に、オイル交換が必要で、一番安いオイルを使って、自分でやるとして、規定は半年に一回ですから、年に二回で、2000円くらい。 オイル・フィルター交換は、1万キロに一回という規定で、私の場合、年間走行距離が、1200キロくらいしか行かないから、8年に一回やればいい事になります。 仮に、今後10年間、車を所有するとして、一回だけ交換すればいいわけで、工具代込みで、2000円くらいかかるものの、これは、勘定に入れなくてもいいでしょう。

  結局、車を維持する為には、年間、6万円前後のお金がかかるわけだ。


  バイクを持っていた頃は、250cc以下だったので、車検はなし。 税金は、3600円。 任意保険は、9000円くらい。 オイル交換は、車と同じ頻度でするなら、年間、1500円くらい。 合計、14100円。 安いな。 どうせ、エンジン付きの乗り物を維持するなら、バイクの方が、圧倒的に、コスト・パフォーマンスが良いです。


  もっと安いのは、自転車ですが、自転車保険に入るなら、一年で、5000円くらいはかかります。 タダではないわけだ。 高齢化と、高齢者の貧困化の進展に伴い、今後ますます、自転車が増え、交通事故も増えると思うので、保険は入っておいた方が無難です。 1億円を超える賠償が発生した事例があるそうですから、年間5000円くらいの出費で、対処できるなら、安いものです。

  そう考えると、バイクの維持費、14100円というのは、割安感がありますなあ。 自転車と違って、かなり、遠くまで行けますから、その点、車の代用にもなります。 125cc以下なら、諸費用が、もっと安くなるでしょうし。 一番安いのは、50ccですが、ありゃ、やめた方がいいですわ。 車の流れについていけないから、危険です。 ああ、忘れていました。 51cc以上だと、小型二輪免許が要るんだった。 誰でも乗れるというわけではないんですな。

  もし、引退後に備えて、バイクの免許を取るのなら、小型二輪免許で充分です。 間違っても、大型をとって、格好をつけようなどとは考えない方が良いです。 命に関わりますから。 若い頃、限定解除の壁に阻まれ、劣等意識に苛まれていた人達が、大型免許が教習所で取れるようになってから、大型を取り、リッター・バイクを買って、夢を叶えたはいいが、体力の衰えに気づかず、事故って死ぬケースが、どっと増えたのは、まだ、そんなに昔の事ではないです。

  125ccあれば、自動車専用道路以外、全て走れますから、日本一周ツーリングなどという、歳に合わない事を目論みさえしなければ、何の問題もありません。 中型(普通自動二輪)免許なら、自動車専用道路も走れますが、教習内容が難しくなり、馬鹿にならない金額がかかるので、お勧めではありません。 そんなに、お金をかけられるのなら、車に乗った方が、得です。


  ところで、バイクを引退後の足にする場合、スクーターを選ばざるを得ません。 オン・ロード、オフ・ロードに関わりなく、スポーツ・バイクは、荷物が積めないから、買い物に使えないんですよ。 荷台がある場合、そこに籠や箱を付けるという手もありますが、後ろから跨げなくなるから、乗り降りするたびに、ステップに左足を乗せて、前から跨ぐ事になり、そういう動作は、高齢者には、大変、厳しい。 しかも、荷物の位置が高いので、安定が悪く、信号待ちで停まった時に、足で車体を支えられず、コケる恐れがあります。

  その点、スクーターは、荷台に籠を付けても、乗り降りに何の支障も出ません。 前籠も付けられるし、メット・イン・スペースにも、物を入れられます。 まさに、買い物の為に作られたような乗り物ですな。 ちなみに、今のスクーターは、みな、4サイクルになっていまして、昔のスクーターよりも、遥かに、燃費がいいです。 だから、長距離ツーリングにも使えるというのよ。 ただ、スクーターは、長時間、乗り続けていると、半端なく、疲れますけど。


  私としては、自転車で全て済むのなら、自転車オンリーで暮らしたいところですが、客観的に考えると、スクーターに軍配を上げざるを得ません。 自転車保険の存在がネックでして、「どうせ、5000円払うなら、1万円ちょっと出して、スクーターにしてしまった方が、何かと使い道が多いだろう」と思えてしまうのです。 電動スクーターが普及すれば、尚更、優位性が高まるのでは?


  そうそう、「車やバイクにも乗るし、自転車にも乗る」という人がいると思いますが、「車やバイクで、任意保険の人身傷害に入っているから、自転車保険には入っていない」という場合、人身傷害の限度額がいくらになっているか、調べてみた方がいいです。 車やバイクに乗っている時には、「対人・対物、無制限」でも、自転車に乗っている時には、もっと、ずっと低い限度額になっているかも知れません。 火災保険の特約なども、限度額は、低いです。



  1997年物、「セルボ・モード Mセレクション 5ドア」です。 この組写真は、4月13日に、母の要望で、伊豆長岡の狩野川土手にある、桜並木を見に出かけた時に、撮ったもの。

  海岸線を、国道414号線で南下し、口野で、内陸へ曲がって、長岡へ。 上三枚は、長岡の老舗温泉饅頭店、「黒柳」の駐車場です。 長岡へ行って、温泉饅頭を買わないのは、馬鹿な話。 一番下の一枚だけ、長岡のイオン系スーパー、「マックスバリュ」の駐車場で撮りました。 なぜ、桜を見に行って、スーパーに寄るのかというと、母のトイレの為です。 母は律儀なので、一応、買い物もしましたけど。

  うーむ、こうして見ると、実に、オモチャっぽい車だ。 いい意味で、ですけど。 機能的には、あちこち、ポンコツになっていますが、外観には、欠けた部品がないので、塗装の劣化が目立たない距離まで離れれば、20年も経っているようには見えません。 かつて、セルボ・モードに乗っていた人達が、これを見かけたら、「げ! まだ、走っているのか!」と驚くでしょうねえ。

  去年の秋に、補修した事は、記事をアップしてありますが、今年の春になって、運転席のパワー・ウインドウが途中で停まってしまうのを、動くようにしました。 キュルキュルと異音がするエアコン・ベルトを交換しようとして、ボルトが回らなくて、現在、対策を検討中。 整備工場に頼むと、一万二万、スポーンと飛んで行ってしまうので、常に、自分で直すか、諦めるかの二択を迫られています。

  これだけやって、次の車検で通らなかった、私ゃ、泣くよ。 だけど、マーフィーの法則に従うなら、そうなる公算は、非常に大きいですな。

2017/06/11

捨てた漫画 ④

  2月半ば捨てた漫画シリーズの、ラストです。 






≪AKIRA≫
  ヤング・マガジンに連載されていた、大友克洋さんの代表作。 超能力者をモチーフにした、近未来アクション物。 全6巻。 初版は、1巻が、1984年9月、6巻が、1993年3月。 大判のコミックスで、値段は、以下の通り。

1巻 1000円
2巻  880円
3巻  880円
4巻 1000円
5巻 1100円
6巻 1200円

  発表されていた当時は、究極の漫画という扱いをされていました。 1988年に、劇場アニメになり、その前後で、評価が異なります。 アニメの方が、ストーリーを短縮してあったせいで、公開直前までの盛り上がりに、冷水を浴びせる格好になり、ファンが、かなり、減ってしまったのです。 しかし、漫画の方は、むしろ、アニメ公開後に、もう一花咲かせるかのごとく、面白くなりました。

  漫画は、超一流の傑作で、私としては、これ以上の漫画は、もう出ないと思っています。 アニメで、ケチがついたのが、返す返すも、残念。 大友さんは、その後もアニメ作品を作り続けますが、クライマックスは、判で押したように、人体と機械の融合・増幅でして、アニメ方面の才能がない事を、繰り返し繰り返し、証明する事になります。 漫画家としては、史上空前の才能だったんですがねえ。

  ・・・それにしても、あの、一世を風靡した、≪AKIRA≫の感想が、この程度しか出て来ないというのは、寂しい限り。 永い時間が経ったんですなあ。 


≪風の谷のナウシカ≫
  何度も、アニメ版がテレビ放送されているから、内容の説明は不要ですな。 宮崎駿さんの、漫画の方の代表作。 元は、「アニメージュ」というアニメ雑誌に、断続的に連載されていました。 全7巻。 初版は、1巻が、1983年7月、7巻は、1995年1月。 大判コミックスですが、紙の質が、漫画雑誌と同じもので、値段は安かったです。

1巻 330円
2巻 330円
3巻 330円
4巻 330円
5巻 350円
6巻 380円
7巻 490円

  終わりの方は、さすがに、値段を抑え切れなかったようですけど。

  私が、このコミックスを、最初に本屋で見つけたのは、高校生の頃だと思っていたのですが、それは記憶違いでした。 1巻と2巻を、同時に見たのは確かで、2巻が出たのは、83年8月だそうですから、すでに、ひきこもっていた頃です。 ちなみに、私が持っているのは、必ずしも初版本ではないです。

  1984年に、劇場アニメが公開。 公開直前までは、盛り上がっていたんですが、蓋を開けてみたら、恐ろしいまでに大鉈を振るいまくった短縮版ストーリーで、一気に白けまくりました。 むしろ、原作を読んでいなかった人の方が、楽しめたと思います。 「土鬼」がいつ出てくるのかと、話が半分過ぎるまで待っていた自分が、憐れでなりません。

  漫画の方は、文句なしの傑作で、アニメ公開後も、高い品質を保ち続け、遠い未来の、破滅に向かう人類を描いた、壮大な叙事詩となって、完結します。 アニメが、しょぼ過ぎるんですわ。 劇場版たった一本で、描ききれる内容ではないのです。 私はまた、その内、テレビ・アニメ化されるかと思っていたんですが、そんな気は、なかったようですな。


  ≪AKIRA≫も、≪風の谷のナウシカ≫も、「傑作と認めていながら、なぜ、捨てる?」と思うかもしれませんが、つまりその、漫画としては傑作だが、私の方が歳を取ってしまって、もう、漫画を楽しめる感性が失われてしまったという事なのです。

  この二作、発表当時は、天井評価でしたから、全巻揃えて所有している人も多かろうと思いますが、今、古本で売って、値段がつくかどうかは、疑問です。 人気が高かったという事は、大量に出回ったという事でして、よほど、年月が経たないと、希少価値が出て来ないと思います。 私が生きている間は、とてもとても・・・。 別に、高く売る為に、保存していたわけではないので、捨てるのに、ためらいはありませんでした。



≪逮捕しちゃうぞ≫
  講談社の雑誌、「モーニング」や、「パーティー」に掲載されていた作品。 ・・・らしいのですが、私は、雑誌の方では、一回も読んでいません。 そんな名前の雑誌を見た事もないです。 コミックスは、全7巻。 初版は、1巻が、1987年12月、7巻が、1992年5月。 私が買い揃えたのは、1993年の夏頃で、たぶん、全て、新刊で買ったのだと思います。

  アニメやドラマにもなったので、知名度は高いと思いますが、念の為、解説しておきますと、型破りな交通課婦人警官コンビの話で、基本的に、コメディーです。 後ろへ行くに従って、内容が濃くなり、面白くなるのですが、なぜか、絶頂期に終わってしまいました。 アニメの方は、私は見ていません。 ドラマは、ちょこちょこ見ましたが、原作には、ナンセンス・ギャグが多く含まれているので、実写ドラマにして面白いような話ではなかったです。

  二人とも、外見は女だけど、能力的、性格的には、ほぼ、男でして、女性的な考え方や行動は、ほとんど、見られません。 少年・青年漫画で、女性を主役にした作品では、よくあるタイプですな。 だけど、作者の藤島康介さんが、女性の特徴を理解していないわけではなく、≪ああっ女神さまっ≫の方では、女性的な女性キャラが、いくらも出て来ます。


≪ああっ女神さまっ≫
  藤島康介さんの代表作というと、こちらの方が、有名。 私は、21巻までしか買いませんでしたが、もっと、続いたはずです。 初版は、1巻が、1989年8月、21巻が、2000年6月。 確か、全て、新刊で買ったと思います。 大人になってからも買い続けていた漫画は、この作品だけだったので、コミックスが出るなり買うパターンを続けていました。 掲載雑誌は、講談社の「アフタヌーン」ですが、そちらは、一回、立ち読みしただけでした。

  人柄はいいが、外見がパッとしない男子大学生の所に、女神の三姉妹が同居して、いろいろと騒動が起こるという話。 ほんとに面白かったのは、5・6巻くらいまでで、後は、義理で買い続けていました。 主要登場人物のキャラクターを、早々と使い切ってしまい、新キャラに頼って、這うように、話を先に進めていた観あり。 21巻までつきあったのを、誉めてほしいくらいです。 最終巻まで読んでいないので、これ以上の批判は控えますが、残りを読んでみたいという気には、もはや、なりません。

  アニメは、OVA、テレビ・シリーズと作られたものの、原作の線の美しさを、なかなか写せず、「いっそ、見ない方が、気分がいい」というレベルでした。 劇場版の絵は、原作に相応しい品質でしたが、惜しむらく、ストーリーの方がつまらなくて、やはり、傑作にはなりませんでした。 キャラクターを使いきっているんだもの、面白くならなくて、当然ですわなあ。


  この二作品ですが、私が、1993年にバイクに乗り始めた時、免許取得のモチベーションを高めるのに役立ちました。 バイク漫画としてみると、最も、洗練されていた作品だと思います。 意外なようですが、暴走族が出て来ないバイク漫画というのは、滅多にありませんでした。



≪ど根性ガエル≫
  1970年から、76年にかけて、週間少年ジャンプで連載されていた、「ど根性ガエル」の単行本です。 連載当時に買っていました。 20巻くらいまで揃っていると思っていたのですが、並べてみたら、1巻から19巻までの内、9巻と13巻が抜けていて、飛んで、26巻がありました。 9巻と13巻は、確か、あったと思うので、何かの理由で、先に捨ててしまったのだと思います。

  アニメ化が2回、ドラマ化が1回されていて、名作、いや、傑作と言ってもいい作品なのですが、私の方が、歳を取ってしまって、もう、読み返しても、面白さを感じられません。 そもそもが、少年向けに作られた話ですから、五十男が読んで楽しめるものではないのです。 主人公の年齢は、中学生ですが、対象年齢は、小学生だったと思います。

  一時期、押入れの床に、直接積み上げていたせいか、著しく劣化して、本の状態は極悪です。 カバーの耳が、軒並み、分離してしまって、一度直したんですが、直しきれずに、そのまま、しまっていました。

  この漫画が、私の精神形成に影響を及ぼした事は確かですが、あまりにも昔の事なので、今では、どんなところに夢中になっていたのか、思い出せません。 これを読んでいた頃の自分と、今の自分に、重なるところが見出せないのです。 こんなに長く、保存していたのが間違いで、もっと昔に処分しておくべきだったのかもしれません。 何でも、取っておけばいいというわけでもないようで、懐かしさよりも、自我の断絶の方を強く感じてしまうのでは、精神衛生に宜しくありません。


≪エスパー魔美 てんとう虫コミックス版≫
  1992年に買い揃えたもの。 新刊で買ったものもあれば、古本で買ったものもあります。 アニメが放送されたのが、1987年から、89年までで、この版は、アニメの放送開始に合わせて、発行されたものなので、初版はすべて、1987年になっています。 私が買った年が遅い理由は、アニメの再放送を見て嵌まり、それから、漫画の方を買い始めたから。

  背表紙を見ると、作者名が、「藤子不二雄」と、「藤子・F・不二雄」の二種類あるのが分かりますが、このコミックスが版を重ねている途中で、名前の変更があったわけですな。

  漫画原作そのものは、1977年から、83年まで、雑誌を乗り換えながら、不定期に掲載されていたらしいです。 ちなみに、私は、中学一年生の頃、最初の掲載誌、「マンガくん」を、友人の家で読ませてもらい、初回から、数回分を、ほぼ、リアル・タイムで読んでいます。

  今回、発掘して、一通り、読み返してみたんですが、決して、子供向けの内容ではないにも拘らず、やはり、もう、私の歳で楽しめるものではありませんでした。 対象年齢は、中高生でしょうか。

  捨てるつもりでいたんですが、目を通している内に気が変わり、とりあえず、しばらくは、保存する事にしました。 この後に発掘した他の漫画は、全て捨ててしまったので、私が現在持っている漫画は、この、≪エスパー魔美≫だけになったわけです。

  残した最大の理由は、このカバー・イラストですかね。 この絵は、原作者が描いた物ではなく、アニメのキャラクター絵が使われていまして、一言で言うと、えらい、いい絵なんですわ。 この画像サイズでは、実感していただけないかも知れませんが、現物を見ると、「素晴らしい」という言葉を使っても不釣合いでないくらい、優れている事が分かります。 表紙側で言うと、1巻は、飛び抜けて良く、2・3・4・7・9巻も、相当には良いと思います。 今を生きる喜びと、未来への希望に満ち溢れた明るさが、何とも言えません。

  ところがどっこい、漫画の中身の方は、ちっとも明るいものではないのでして、社会の暗部や、人間の醜さをモチーフにした、胸が悪くなるような話ばかりです。 小ネタ・ギャグがたくさん入っているのと、主人公の魔美が、天然系の明るい性格だから、辛うじて、明暗バランスが取れている感じ。 ちなみに、アニメの方は、原作ほど、暗くはありませんでした。

  カバー絵を見ているだけで、気分が明るくなるので、しばらく、並べっぱなしにしていたのですが、半月くらいしたら、さすがに飽きまして、新たな保存場所であるカラー・ボックスにしまいました。 次は、いつ読むことやら・・・。




  捨てた漫画は、以上です。 順序的には、≪ど根性ガエル≫だけ先行して捨てに行き、≪エスパー魔美≫を、残す事に決定し、それから、それ以外の漫画を処分したという流れになります。 すでに、三ヵ月以上過ぎていますが、惜しい事をしたとは、全く思いません。 読む気がない物が、部屋からなくなって、清々しています。 漫画を買った事自体を、後悔はしていません。 とっくに役割を終えて、私には無価値になってしまっていた事に、気づくのが遅れたのが、少々、残念なだけ。

  意識して残したのは、≪エスパー魔美≫だけなのですが、図らずも残ってしまったものもあります。 ≪めぞん一刻≫の第8巻が、本棚の下に落ちていたのを、後になって発見し、それはまだ捨てていません。 他に、≪動物のお医者さん≫の、文庫版・第7巻が、小説に混じって残っていました。 ≪エスパー魔美≫も含めて、いずれは、捨てる事になると思います。

2017/06/04

捨てた漫画 ③

  2月半ば捨てた漫画シリーズの、3回目です。 






≪どっきりドクター≫
  週刊少年サンデーで連載されていたもの。 全4巻。 初版は、1巻が、1981年11月、4巻が、1982年5月。 発明狂の医者が主人公の、ナンセンス・ギャグ漫画です。

  知る人ぞ知る、傑作でして、当時の細野不二彦さんの作品の中では、最も面白かったです。 ただ、その事を、作者本人が分かっておらず、≪さすがの猿飛≫の方が、人気があると思っていて、そちらに本気を出し、こちらは、「まあ、大体、こんな話でよかろう」程度の力の抜き方だったように見えました。 たぶん、それが良かったのでしょう。 型に囚われず、何でもアリで、実に楽しい作品でした。

  ≪さすがの猿飛≫が、1982年に、テレビ・アニメ化された時、エピソードが足りなくて、≪どっきりドクター≫の話を借りた関係で、ドクター自身は、早々とアニメに登場していたのですが、≪どっきりドクター≫の方も、1998年になってから、単独でアニメ化されました。 連載終了後、16年も経ってから、アニメ化されたのは、やはり、好きな人がいたからでしょう。 線が細くて、美しい絵で、いかにも、手描き末期のアニメらしかったです。


≪さすがの猿飛≫
  週刊少年サンデー増刊号に連載されていたもの。 私が持っていたのは、3巻までですが、もっと続いたと思います。 初版は、1巻が、1982年6月、3巻が、1982年10月。

  ≪どっきりドクター≫のファンだったから、同じ作者という事で、義理で買っていました。 主人公の肉丸のキャラが分かり難く、結局、好きになれないまま、離れてしまいました。 魔子ちゃんは、いいキャラだったんですがねえ。

  上に書いたように、82年にアニメ化されましたが、そちらは、ひっでー代物で・・・、いや、好きだった人もいると思うから、貶すのはやめておきます。


≪GUGUガンモ≫
  週刊少年サンデーで連載されていたもの。 私が持っていたのは、1巻だけですが、もちろん、もっと続いたはず。 初版は、1983年1月。 ≪どっきりドクター≫の後に連載された作品なのですが、対象年齢が下がったせいで、私には、ついていけませんでした。 ほとんど、興味がなかったくせに、1巻だけでも、よく買ったものです。 

  84年に、アニメ化されて、当時、小学生だった人なら、大概の人は、見ているはず。 私は、一回も見ませんでしたけど。


≪みゆき≫
  少年ビッグコミックに連載されたものですが、コミックスは、「マンガくんコミックス」になっています。 私が持っていたのは、2冊ですが、これも、もっと続いたはず。 初版は、1巻が 1981年2月、2巻が、81年7月。 「みゆき」という名前の美少女が二人出て来て、主人公の少年と、複雑な三角関係になる話。

  ラブコメの代名詞みたいな作品ですな。 ≪タッチ≫と違って、スポーツが絡んでいないので、軟弱極まりないのですが、当時は、こういう感じの漫画は、もー、いくらでも、あったように思います。 それらの中では、最高クラスだったのでは? コメディーより、ラブの方が強かったので、ギャグ漫画好きの私は、2冊で、買うのをやめてしまいましたけど。

  90年代に入ってから、職場でペアになっていた青年に、≪みゆき≫が、どういう結末になったのか、教えてもらったので、それは知っているのですが、自分で読む気にはなれませんでした。 その頃には、もう、あだち允さんの絵に、魅力を感じなくなっていたのです。



≪究極超人あ~る≫
  週刊少年サンデーで、1985年から87年にかけて連載されていた作品。 私が買ったのは、少年サンデーコミックス(ワイド版)で、全4巻。 初版は、1巻が、1991年9月、4巻が、1992年の1月。 しかし、買い揃えた時期は、92年の9月頃です。

  連載終了から、4年も経ってから買ったわけですが、それは、91年に、OVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)になったものが、92年に、テレビで放送され、それを見てから、興味を抱いたからです。 すでに、最初に出たコミックスは、新刊書店で手に入らなくなっており、たまたま、ワイド版が出ていたので、そちらを買った次第。

  「超人」と言っても、主人公は、マッド・サイエンティストが作ったアンドロイドの少年でして、それが、高校に通い、写真部(光画部)に入って、同級生や先輩と、ナンセンス・ギャグな日々を送るという内容。 ムチャクチャ、面白いのに、なんで、これを、テレビ・アニメにしなかったのか、今でも不思議です。

  ゆうきまさみさんというと、≪パトレイバー≫の方で有名ですが、オリジナリティーでは、こちらの方が、ずっと上で、学園物ギャグ漫画の傑作と言っても良いと思います。 ≪うる星やつら≫と、連載時期が重なっていたのに、模倣せずに、独自の作品世界を展開したのは、お見事。 だけど、連載が終わらない内に、アイデアが枯渇して、作中に作者の泣き言が入るという、正直というか、正直過ぎというか、完成度を損なうようなところもありました。


≪おれは直角≫
  週刊少年サンデーで、1973年から、1976年まで連載された作品。 私が買ったのは、スーパービジュアル・コミックスで、全5巻。 初版は、1巻が、1990年5月、5巻が、1990年11月。 1991年に、アニメ化されたのを見て、興味が湧き、本屋に行ったら、この特版コミックスが置いてあったので、買った次第。

  幕末ちょっと手前の、長州藩を舞台にした少年剣士物です。 といっても、維新関係者の面々は、一人も出て来ません。 ただ、萩の町や、明倫館という場所を借りただけ。 ちなみに、言葉は、もろ標準語です。

  面白いのは、剣劇場面でして、主人公の直角が、超人的に強いのが、見せ所なのですが、後半になると、勝負の場面が減り、直角も、おとなしくなってしまって、だんだん、面白さを感じなくなって行きます。

  しかし・・・、70年代半ばに描かれ、90年代初頭に買ったコミックスの話を、2017年にしていると、否応なしに、大昔感に襲われて、脱力してしまいますなあ。 ちなみに、私は、この作品が連載していた頃には、小学校高学年でしたが、タイトルだけは知っていたものの、サンデーと縁がなかったので、ほとんど読んでいませんでした。 床屋の待ち時間に読んだか読まなかったか、それすら、記憶が怪しいです。


≪舞≫
  週刊少年サンデーに連載されていました。 原作は工藤かずやさん、絵が池上遼一さん。 全6巻。 初版は、1巻が、1985年8月、6巻が、1986年8月。 一年で6冊という事は、ストーリー漫画は、一回分のページ数が多いのでしょう。

  エスパー少女の話。 といっても、≪エスパー魔美≫とは、全然、趣きが違っていて、アクションが主体のストーリー漫画です。 私が読んだ、池上遼一さんの漫画の中では、最も、違和感が少ない作品でした。 絵は、言うまでもなく、メチャクチャ、うまいです。 殺るか殺られるかという緊迫した展開で、決して、明るい話ではないのですが、それは、エスパー物の宿命でして、致し方ないところ。

  86年の夏くらいに、買い揃えているようですが、その年は、私が、ひきこもりから脱して、植木屋の見習いで働き始めた年でして、小遣い銭に困らなくなったから、全冊、買えたのだと思います。



≪NORA(ノーラ)≫
  どの雑誌か分かりませんが、青年誌に掲載されたと思われる、御厨さと美さんの、SF漫画。 朝日ソノラマ社発行の、「SUN COMICS」というシリーズです。 たぶん、全2巻。 初版は、1・2巻ともに、1981年7月30日。 買った時、私は、高校生でした。 学校で読んでいた記憶があります。 

  御厨(みくりや)さんは、とにかく、絵がうまい人で、絵を見る為に買ったようなところもありますが、ストーリーも、まずまず、一級品でした。 ただし、アクション主体なので、SFとして、一級かどうかは、少々、疑問。 ノーラという名の若い女性が、近未来の世界を舞台に、人類の危機を救うという話。 ただし、ノーラは、一人の人物ではなく、母・娘・孫娘と、三代に渡って、同じ名前を受け継いでいる模様。 キャラ的には、みな同じですが。


≪アドルフに告ぐ≫
  手塚治虫さんが、人生の終わり頃に、発表した作品。 遺作かどうかは、分かりません。 私が買ったのは、文春コミックス版で、全5巻。 初版は、1巻が、1988年11月、5巻が、同年12月。 購入したのは、1989年の3月以降である事は確かですが、日記に記述がなくて、詳しい事が分かりません。 最も長く勤めた会社に、就職した直後ですなあ。

  アドルフという名前を持つ、二人の少年が、戦前から戦後にかけて、日本やドイツを舞台に、ヒトラーの出生の秘密に関わりつつ、波瀾に満ちた日々を送る話。 中心人物が数人いて、誰が主人公というわけではなく、読者としては、感情移入し難いところがあります。 面白いですが、買って読むような本ではなかったかなあ・・・、と、当時は思っていたような。 手塚作品には珍しく、夢がないんですよ。

  発表当時は、話題になりましたが、今では、手塚ファン同士の会話にしか出て来ないと思います。 私が買った手塚作品というと、≪ブラック・ジャック⑩≫と、この作品だけという事になります。 立ち読みなら、もっと、たくさん、読んでいるんですがね。



≪諸怪志異(二) 壺中天≫
  諸星大二郎さんの、中国怪異物漫画、「諸怪志異」の、第二巻です。 初版は、1991年3月。 短編集です。 魔術を使う先生と、幼い弟子が、怪異事件を解決する話が多いですが、単独の話も含まれています。 第一巻の方は、立ち読みで読んだのですが、買わないでいる内に、本屋から消えてしまい、買えずじまいでした。

  話は面白かったですけど、諸星さんの絵は、お世辞にも、うまいとは言えず、その点は、私の好みではありませんでした。 特に、女性の絵は、おっかなびっくり描いているような感じがしました。 ちなみに、「諸怪志異」というタイトルは、「聊斎志異」という清代の怪奇小説集をもじったもの。 



≪童夢≫
  大友克洋さんの、初期の長編作品。 初版は、1983年8月。 私が買ったのは、84年2月以降ですが、日記をつけ始める前の事で、詳しい事情は分かりません。 話題になっていたので、読んでみようと思って買って来たのでは? ひきこもり中の事とて、定価780円は、かなり、痛い出費だったと思います。

  ある団地の中で、超能力ボケじじいが、残忍な犯罪を繰り返しているのを、そこへ引っ越して来た、超能力女子小学生が止めようとして、修羅場になってしまう話。 悪玉側が、ボケてしまっているという設定が怖いですが、善玉側も、子供過ぎて、パニックを起こしてしまい、制御の利かない戦いになって行くところが、凄まじいです。

  この頃の大友克洋さんが、日本の漫画界で、ダントツの注目株だった事が、この作品を読めば、すんなり、分かります。 だけど、私は、残酷なのが、あまり好きではなくてねえ。 これも、買った時には、価値があると思っていましたが、その後、読み返す事はありませんでした。




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